プレビューモード

楽しくて、続けられるエコ家事とは?

両親が立ち上げた「環境漫才」をきっかけに環境問題に興味をもち、生活に積極的にエコ家事を取り入れ、家族で取り組んでいる林家まる子さん。
まず一歩を踏み出すためには、また楽しく続けられるヒントなどを聞きました。
(『パンプキン』2023年7月号より転載。撮影=富本真之 取材・文=増沢京子)

林家ライスさん、カレー子さんの環境漫才が環境大臣賞受賞

林家まる子さんが環境に意識を向け始めたきっかけは、両親の林家ライスさん、カレー子さんが1992年から始めた「環境漫才」だった。始めた30年前は、"エコロジー"という言葉も一般にはあまりなじみのない状況。ある自治体から「リサイクルを進めるための漫才をやってほしい」と頼まれたことをきっかけに、独学で勉強を始め、ごみの分別運動、リサイクルや地球温暖化といったテーマを笑いに盛り込んだ漫才をやるようになった。

「"思いは地球規模! 行動は足元から!"をモットーにした両親の環境漫才のネタには、こんなものもありました。
『ごみ箱に何でも捨てたらもったいない! 捨てればごみでも生かせば資源!』『そうですよ~。私は「いらない」って放り出されていたこの人を拾って、夫としてリユースしているんです!』『そうなんです! 僕、再利用なんです』なんて。じつは父はバツイチだったんです(笑)」

最初は"謎の漫才"を始めたなと思っていたまる子さんだが、小学校などいろんな場所に出向いて、"環境授業"を行う両親に「大学教授とかから聞くと寝ちゃうけど、ライス・カレー子さんがおもしろおかしく話してくれると、『私もやってみようか』ってきっかけになる」と大きな反響が。"自分たちにはそういう役割があるんだ"と使命感を抱いた両親は"環境寄席"というイベントを毎年開催してきた。

「地味で地道だけど大事なことを笑いのあめ玉にくるんで多くの人に届けている両親の姿を見て、私も自然と"環境問題"を意識するようになりました。父は2018年に亡くなりましたが、翌年の父の一周忌にこれまでの功績が認められ、母が環境省から"環境大臣賞"をいただくことができたんです」

毎年家族総出で開催する「環境寄席」は、通算34回を数える

幼いころから「モノを大切に!」
環境への配慮がスタンダードな我が家

"もったいない"が口癖の両親の影響で、小さいころからモノを大切にする習慣ができていたまる子さん。

「でも“環境、環境”って押しつけられることは一回もなくて、両親はただひたすら楽しそうに環境問題に取り組んでいました。"いいことをするのは楽しいこと"と背中で教えてくれたことに感謝しています。たとえば、米の研ぎ汁は捨てないで花壇にあげたり、200mlの牛乳を排水口に流しちゃうと魚の棲める濃度にするまでに3tの水が必要だから、牛乳は腐る前に飲みきろうねとか、普通にやってました。"がんばってます!"じゃなく、それがスタンダードだったんです」

 今では当たり前になったが、お店では棚の手前に置かれた消費・賞味期限が短いものから買っていく。牛乳パックは洗って、乾かして、ハサミで開いてリサイクルに出すのが昔から当たり前。さらに"リサイクルは買って使うところまできて一周"という考えから、トイレットペーパーなどは必ずリサイクル製品を買っていた。

受け継がれるエコ習慣
お子さんと共に楽しんで取り組む日々

両親の思いを受け継ぎ、家族で楽しみながらエコに取り組んでいるまる子さん。エコバッグや水筒を持ち歩く。ごみの分別はもちろん、過剰包装などを断り、ごみになるものを家に持ち込まない。モノを手放すときは、リサイクルショップやオークションサイトを利用する。節水シャワーヘッドに替えて水道代やガス代を節約し、新しい家は二重窓のエコ住宅にした。また空腹で買い物に行くとつい買いすぎてしまうため、食品ロスを防ぐためにも、買い物前に小腹を満たす工夫も。お味噌汁などは作りすぎて捨てないよう、食べきれる分だけ作るようにしている。

「冷蔵庫がグチャグチャだと何が余っているかわからないので、いつもきれいにしています。特に食品ロスが多いのが野菜。野菜室は月1回ゼロベースにしてリセットしています。最近おすすめのエコ家事は"お掃除スリッパ"かな。洗剤を使ってゴシゴシしなくても、歩いているだけで床掃除ができる優れものです。長年続けている牛乳パックのリサイクルは、"チョキチョキタイム"と呼んで、家族で会話しながら、"リサイクルして紙になることで、木を切らなくていいんだよ"という物語を子どもに伝えています」

 そして普段から愛用しているのが、アップサイクル(廃棄物にデザインやアイデアといった新たな価値を付け加えて再生する)の洋服だ。
「私の衣装は、tenbo(テンボ)というブランドを立ち上げている社会派ファッションデザイナーの鶴田能史さんにお任せしています。ファッションを楽しみながら社会貢献もできる、ただ消費するだけでなくお役に立てているというのも、着ている喜びになります」とにっこり。
 この日の衣装もデニムの服をアップサイクルしたtenboのSDGsドレスだ。ジーンズやジージャンを上手に組み合わせた、エレガントなドレスと帽子。これで5kgのごみ削減にもなっている。

「何かやらなくちゃ! という義務ではなく、楽しくて喜びにつながって社会貢献になるのがエシカルなのかなと思います。そういう活動を"買う"ことで応援できる。そういう意識が広がると楽しいし、世の中のためにもなりますよね」

"思いは地球規模! 行動は足元から!"を合言葉に、できることからしているんです。

 

クエン酸と重曹でおうちがピカピカ!
少ないモノで豊かに生きる

モノを整理しつつ、「少ないモノで豊かに生きる」がコンセプトというまる子さんが、"この2つで何でもできる"と重宝しているのが、クエン酸と重曹だ。排水口が臭ったり、鏡が曇ったりしたら、クエン酸。頑固な油汚れは、重曹できれいに。

「お風呂に入るときもクエン酸と重曹を入れれば、自分の体も浴槽もきれいになるし、一石二鳥です。漂白以外はクエン酸と重曹で十分。いちいち専用の洗剤を買わなくてもすむので、ナチュラルクリーニングは環境にもお財布にもやさしいんです。昔の人の知恵ってすごいですよね」

 また、家族の協力も得て、家の中にモノが増えすぎないように気を配る。「その分、思い出づくりにお金を使います。モノ消費よりコト消費! そうやって増えた思い出が我が家の財産です」

 エコ家事が家族の絆を深めることにもつながっている。
まる子さんは"いいことをしないのは、結果として悪いことをしているのと一緒"という言葉が大好きだ。

「傍観していると、結局悪いほうに手を貸していることに。だから私は積極的に環境にいいことをしていきたいし、SDGsを進める"いいこと競争"のようなものが広がっていくと素敵ですね」

 

 

『パンプキン』7月号の購入はコチラから

 

******
タレント
林家まる子(はやしや・まるこ)
1972年東京都武蔵野市出身。両親は環境漫才でおなじみの林家ライス・カレー子。93年、海老名香葉子氏に師事し、林家一門に入門。2018年、母娘漫才コンビ「林家まる子・カレー子」を結成。漫才を通じて環境や防災など社会問題への啓発を行う。

 

こちらの記事も読まれています