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【潮8月号の読みどころ】特別企画ほかオススメ記事

【特別企画】若者たちが伝える「戦争」の記憶

「特攻隊」の史実を知ることで、新たにする平和への誓い(P.32~)
羽場恵理子(知覧特攻平和会館学芸員)

◆特攻隊の歴史を後世に伝える知覧特攻平和会館。同館は439人が出撃した鹿児島県知覧飛行場の跡地に建てられ、特攻隊員たちの書簡等を数多く所蔵している。20代の学芸員・羽場さんは、若き隊員たちの手紙や日記を読むと、母親や家族への愛情あふれる内容に、「現代の自分たちと同じだな」と共感を覚えたという。

◆若い世代にとっては、79年前の戦争は遠い時代の話。しかし、戦争や紛争は今も世界各地で絶えない。だからこそ、近くにある資料館に足を運んで戦争の歴史に目を向けてほしいと羽場さんは述べた。最後に、戦争の記憶を次世代に継承することは現代を生きる自分たちの使命であると呼びかける。


沖縄の心″を詩と曲に乗せて、「平和」を歌い続けていく(P.40~)
石嶺愛莉(ミュージシャン)

79年前、12万人以上の犠牲者を出した沖縄戦。祖父母から聞いた戦争体験に衝撃を受け、ミュージシャンである石嶺さんは記憶を後世に伝え続けるために、オリジナル曲を作成。国内外での公演を行う石嶺さんに、沖縄音楽に宿る平和の精神について語っていただいた。

◆二度と悲劇を繰り返さないために必要なこととは何か。石嶺さんは、戦争の火種となる人びとの〝争う心″を癒やし、〝優しい心″を育むことが必要だと語った。その思いを胸に、石嶺さんは沖縄音楽を奏で、歌い続けている。


「核廃絶」に向けての10問10答――青年世代の使命と責任
(P.48~)
高橋悠太(一般社団法人かたわら代表理事/核廃絶ネゴシエーター)

◆被爆者の平均年齢が85歳を超え、その体験を直接聞くことのできる機会は減っている。だからこそ、核兵器の脅威は身近に感じづらい。しかし、現在はむしろ核軍拡の時代に突入しており、今を生きる私たち全員が、核の時代の当事者であると高橋さんは語る。

◆この記事では、核兵器廃絶に関する10個の疑問を核廃絶運動の〝旗手″である高橋さんにぶつけた。核戦争が起きた場合の生活への影響、核抑止力の効果の有無、日本の核武装の是非、核兵器禁止条約の重要性や課題……など、若者が感じている疑問について答えていく。

 

 

【対談】生活者の利益を重視する公明党の役割はとても大きい(P.72~)
西田亮介(日本大学危機管理学部教授/東京工業大学特任教授)×石井啓一(公明党幹事長/衆議院議員)

◆西田氏は〝政治とカネ″をめぐる政治改革において、公明党が連座制の導入を進め、政治家本人への抑止力を強化したことを高く評価。さらに、こうした問題は社会的な関心が高いときにしか進まない現実があると指摘する。石井氏は、今回の問題に対して与党協議などを通して改革の方向性を導き出すことができたと語った。

◆子ども・子育て支援法を改正し、待ったなしの少子化問題へ手を打ったが、労働力不足は避けられない。石井氏は、その一つの対策として改正出入国管理法で新たに設けられた、外国人労働者の育成就労制度の重要性を強調した。それに対して西田氏は、外国人の活用だけではなく、自動化・機械化と両輪で進める重要性を主張する。

◆西田氏は、公明党が大企業のみの利益追求ではなく、またイデオロギーにも偏らず、広く生活者の利益に関心を寄せる政党だからこそ、その役割は大きいと期待を寄せる。石井氏は、公明党の特徴として「市井のなかに分け入って多様な声を聴く」ことを挙げた。そして、一人の小さな声に耳を傾ける現場主義をどこまでも貫きたいと決意を示した。

 

【特集】平和へのメッセージ
【新連載】鎌田實の「ガラスの天井」を破る女性たち 第2回
平和を担う子どものために大人たちができること(P.80~)
黒柳徹子(女優/ユニセフ親善大使)&鎌田 實(医師/作家)

◆黒柳さんは40歳を前にしてニューヨーク留学を決断。その目的は「休む」ことだったという。NHKの連続テレビ小説に出演していたときで、周囲から引き留められたものの、黒柳さんが「かあさん」と慕っていた女優の沢村貞子さんが背中を押してくれた。

◆鎌田さんは、黒柳さんが1年間のニューヨーク留学で「個性を出すこと」の重要性に気づいた点に注目。その体験があったからこそ、多忙の合間を縫ってろう者の劇団を主宰したり、ユニセフ親善大使として世界の恵まれない子どもたちに光を当て続けるなど、見事に「ガラスの天井」を破ることができたのではないかと語る。

◆「真の平和のためには何が大切だと思うか」という鎌田さんの問いかけに、黒柳さんは「まずは大人が前を向いて生き抜くことが大切」だと答えた。豊かな日本で自ら命を絶ってしまう子どもたちがいる一方、アフリカの難民キャンプでは自殺した子どもはいないという。「生きていれば、必ず先にはいいことがある」と子どもたちへエールを送る。

 

【連載】――東北の未来を拓く――「青年力」⑧
〝負けない心″を教えてくれた東北に「希望」という恩返しを!(P.104~)

岩隈久志(シアトル・マリナーズ特任コーチ)

◆逆境におかれても常に前を向く〝負けない心″を培うことができたのは、東北楽天ゴールデンイーグルス時代だと岩隈さんは述懐する。どんな劣勢の試合でも最後まで見守ってくれるファンの存在があったからこそ、野球人生の〝どん底″を乗り越えて投手三冠の達成や沢村賞のタイトルも獲得できた。

◆2011年の東日本大震災のとき、「心の復興に貢献したい」という思いの元、チーム一丸となって開幕戦に臨んだ。そのとき勝ち取った白星は他の1勝とは比べ物にならないと振り返る。翌年にメジャーリーグに挑戦した際には、被災地の方々に少しでも希望を届けたいとの一念で、グラブに「希望」の刺繡を入れたという。

◆現在は恩返しの思いで、中学生の野球チームの指導者として子どもたちの教育に取り組んでいる。野球指導の現場では、主体性を引き出すことや人間性を磨くことを心がける岩隈さん。自身の野球人生を通して、「最後まで諦めない粘り強さ」や「可能性を信じ抜く力」を、未来ある子どもたちに伝えていくため、今日もグラウンドに立つ。