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脳が元気なら人生をもっと楽しめる!!

速読を超える「瞬読」の普及を推進されている山中恵美子さん(株式会社瞬読代表取締役)。瞬読を通じて脳トレについても追究し続けてきたご経験を踏まえ、脳を元気にするこつを教えていただきました!
(月刊『パンプキン』2025年3月号より転載。監修=山中恵美子 取材・文=前原政之)

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脳トレは友人・家族と楽しめば効果倍増!?

 脳トレは一人でやるより、家族や友人と一緒に行ったほうが効果的です。

 その理由の一つは、表現の言い換えやストーリー作成の問題の場合、答えが一つとは限らないから。答えの理由を言い合うことが互いにとって気づきになり、別角度からの発想が得られるのです。

 新しい意見を知る、知らなかったことを知る、気づかなかったことに気づく……それらはみな「脳にとってよいこと」で、それ自体が脳トレになります。また「私はこうだと思った」と、自分がそう思った理由を言語化して口に出すことも、それ自体が脳トレになります。

 脳トレは友人同士や家族で行うことが最高の形なのです。

脳トレはコミュニケーション能力もアップ!

 脳トレは、脳を活性化することで勉強や仕事の効率を上げますが、それだけではなく、コミュニケーション能力のアップにもつながります。

 なぜなら、コミュニケーションとは「言葉のキャッチボール」であり、その"ボールのやりとり"のスピードが、脳トレによってアップするからです。

 コミュニケーション能力が高い人とは、何かを問いかけられたとき、それに対する返事が早い人、「すぐにポンとボールを投げ返せる人」なのです。

 とはいえ、その早さは生まれつきもっている能力ではありません。練習を重ねれば、だんだん早くなります。情報をインプットしてすぐに答えを言うタイプの脳トレは、そうした瞬発力を鍛えることで、コミュニケーション能力を高めていくのです。

脳トレはポジティブワードで、心地よい空気をつくる

 ネガティブワードをポジティブワードに置き換える脳トレは、脳を活性化するだけでなく、考え方をポジティブにする効果もあります。なぜなら、普段使っている言葉が私たちの思考を形作っているからです。

 「今日は疲れた」「明日も面倒なことばっかりだわ」などと口に出した瞬間、疲労感や憂うつさがさらに強まる感覚は、だれしも覚えがあるはずです。それを「今日は充実していた」とか「明日も盛りだくさんだわ」と言い換えれば、それだけで気分が変わります。

 言い換えトレーニングを積み重ねると、無意識のうちにポジティブワードを選ぶ癖がついてきます。そのことがあなたの考え方を変え、他者に対する言葉遣いもポジティブに変えていくのです。

 すると、だんだんポジティブな人が周囲に集まってくるようになり、自然とよい人間関係がつくれます。

脳トレは人生を豊かに彩る幸福習慣!?

 脳トレの直接の効果は、記憶力が高まったり認知症予防になったりすることですが、得られるメリットは他にもあります。何より「脳の使い方が変わると人生が変わる」のです。

 すでにお伝えしたとおり、脳トレでコミュニケーション能力が高まり、ポジティブ思考にもなれるのですから、そのことが人生そのものに大きなプラスになるのです。人に好かれるようになり、友人にもポジティブな人が増え、幸福度が上がります。

 

column1 右脳を刺激する"アウトプット"を心がけて
 情報のインプット(本を読むなど)には主に左脳が使われますが、アウトプット(人に説明するなど)には主に右脳が使われます。仕事や学校ではインプットが重視されがちで、左脳ばかり使って右脳はあまり使われない傾向にあります。

 読んだ本の内容を人に伝えたり、考えたことを人に話したり、インプットした情報や自分の意見をすぐにアウトプットすることを心がけましょう。そうすれば左脳と右脳をバランスよく使うことになり、右脳も鍛えられます。

 

column2 運動能力や感性など、本来の力が目覚める
 脳トレを続けると、運動能力が高まるという声をいただくこともあります。動体視力が上がり、視野やも広がるので、スポーツに必要な瞬時の反応力がアップするのです。
 また制限時間を決めて脳トレをすることで集中力も高まります。バラバラの文字から言葉を導く脳トレはイメージ力も高めます。そうした積み重ねで感性が磨かれ、芸術をより楽しめるようになります。

瞬読脳トレのお約束

お約束その1 何歳からでも楽しもう
 脳トレに年齢制限などありません。中高年が認知症予防でやるものというイメージがありますが、おじいちゃん・おばあちゃんが小さなお孫さんと一緒にやってもよいのです。シニアにとってもそのほうが楽しく脳トレができますし、実は子どもにとっても、幼稚園や学校とはタイプの違う、よき学びのチャンスになります。

お約束その2 脳がいちばん元気な朝に1分
 脳が最も活発に働くのは朝ですから、脳トレも朝に行うのが吉。たとえば、朝起きてから朝食をとる間に行うとよいでしょう。10分も20分もやる必要はなく、1分で効果がありますから、忙しい朝にもできます。
 脳トレの問題を書いた紙を、朝食のテーブルに置いておいたり、トイレの壁に貼ったりするのもよいでしょう。

お約束その3 間違っても気にしない!
 「瞬読」脳トレは瞬時に答えるスピードが大切ですから、間違うことを気にして反応が遅くなるのはNG。間違っても気にしないようにしましょう。
 一緒に脳トレをする相手の答えが自分とは違っていても、それはむしろ、自分とは異なる思考にふれて脳を鍛えるチャンス。「その答え、いいね!」などポジティブに反応しましょう。

 

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株式会社瞬読代表取締役
山中 恵美子(やまなか・えみこ)
自身の学習塾開校後、学習効果を上げる方法の一環として速読を取り入れ、後の「瞬読」になり、生徒が次々と難関校に合格。その後、瞬読のみの講座を開講し好評を博す。これまで「瞬読」の著書はシリーズ累計33万部超えのベストセラーに。著書に『見るだけで脳がよくなる1分間瞬読ドリル』など多数。