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【潮8月号の読みどころ】特別企画ほかオススメ記事

月刊「潮」2025年8月号(7月4日発売)のオススメ記事の読みどころをご紹介します。

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【特別企画】戦後80年目に語り継ぐ「戦争」
「対馬丸の悲劇」を風化させない――次世代への誓い(P.32~)
平良次子(対馬丸記念館館長)

●母の兄は、対馬丸で出発する直前に家の柱につかまって「行きたくない」と駄々をこねたそうです。私の祖母は「早く。時間がないよ」と言って、兄の指を一本一本柱から外して出発を促したといいます。祖母は「私が息子を無理に行かせてしまった」と、自分を責めながら生きていました。あのとき、子を送り出したすべての親たちが、きっと同じような後悔と苦しみを胸に抱え続けたことと思います。戦争を始めるのは国家の指導者であって、一般庶民ではありません。にもかかわらず、戦争が引き起こした悲惨な結末と苦しみは、生き残った庶民にこれでもかと重くのしかかるのです。(P.35)


【特集】デジタルを捨てよ、町へ出よう
スマホ依存があなたの脳に与える深刻なダメージ(P.62~)
川島隆太(東北大学加齢医学研究所教授)

●スマホやタブレットに関して、病的ではないものの依存傾向にある学生らに見られたのは、やはり(大脳表面の)白質の異常でした。おそらく老化のサインが出ているものと思われます。心理学者に調べてもらうと、彼らは自尊心が低かったり、感情の抑制が利かなかったりといった傾向があることも分かりました。同じような研究はパソコンが普及し始めた1990年代にもありました。アメリカの研究では、大学生がパソコンを使って宿題をやると、読解力が落ちたり、うつ傾向が出やすくなったりするという指摘があります。その原因として心理学者らが考えたのは「スイッチング」です。(P.64)



【特別インタビュー】
コメから賃上げまで、公明党は「やると言ったら、やり切る!」(P.78~)
岡本三成(衆議院議員、公明党政務調査会長)

●人気取りのために大風呂敷を広げない。できもしないのに派手なことは言わない。そうした愚直で、地に足のついた政治をやってきたというのは、公明党の最大の強みだと私は考えています。その想いを反映したのが「やると言ったら、やり切る。」という冒頭の新スローガンです。本稿で述べたあらゆる公約も決して無責任な絵空事ではなく、公明党は必ず実現するという決意で臨んでまいります。(P.85)


【特別インタビュー】
命ある限りあきらめないで――能登復興への思い(P.86~)
宮本亞門(演出家)

●大地震で破壊された被災地が、今度は豪雨災害に襲われました。ニュースを見てあまりの惨状に愕然としました。ある被災者が口にした「まだがんばらんといかんのかね」という一言は忘れられません。全壊や半壊の家屋が取り壊された後、高齢者が跡地に新居を再建することはほとんど不可能です。土砂災害で田んぼや畑を潰されてしまった方も「再び復活するなんてとても不可能だ」と心が折れてしまうでしょう。たび重なる被災の中、能登半島の人々がどうやって生きていけばいいのか。現地で根を張って暮らす人たちの心の痛みを、どうにかして演出家として人々に伝えることはできないものか。「映画を作りたい」という切実な思いがむくむくと頭をもたげてきました。(P.89~90)