【潮4月号の読みどころ】特別企画ほかオススメ記事
2023/03/31『潮』2023年4月号(3月3日発売)のおすすめ記事を読みどころとともにご紹介します。
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ウクライナ危機の歴史的文脈とその教訓
山内昌之(東京大学名誉教授、富士通FSC特別顧問)
◆270年間の「パクス・トクガワナ」(徳川による平和)は、近国の脅威も遠くの騒乱も甘く見ない安全保障観がもたらした。
◆小ロシア(ウクライナ)から西側の価値観を排し、大ロシアに包摂されるべきと考えるプーチン大統領の精神構造が、今回の侵略行為の遠因にある。
◆そのような隣国ロシアに対し、日本は新・安全保障三文書に基づき、外交を主軸として「パクス・ヤポニカ」(日本による平和)を構築すべきだ。
福島イノベ構想は、「心の復興」と地域活性化の切り札
戸田光昭(公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構専務理事)&石井啓一(公明党幹事長、衆議院議員)
◆東日本大震災から12年。公明党が長年関わってきた「福島イノベーション・コースト構想」は、浜通り地域の復興と産業基盤構築の突破口として期待されている。
◆浜通りではイノベ構想の下、「福島ロボットテストフィールド」を核としてロボット産業を中心に多くの企業が集まり、雇用を創出している。
◆この4月には「福島国際研究教育機構」が発足し、日本の科学技術や産業競争力の強化を牽引することや若手人材を育成することが期待される。
「妄想と分裂」の時代に言論は何ができるか
開沼博(東京大学大学院情報学環准教授)&佐々木俊尚(作家、ジャーナリスト)&東畑開人(臨床心理士)&與那覇潤(評論家)
◆人の話を聞くためには、人に自分の話を聞いてもらう必要がある。言論が行き詰まっている現代では、「語る」ではなく「聞く」ことが重要だ。
◆精神分析の視点によると、乳児は、授乳してもらえないときに生じる心のモヤモヤや攻撃性を母親にくり返し受け止めてもらうことで、精神を発達させていく。
◆この発達過程を社会にあてはめると、人々の心のモヤモヤや攻撃性を引き受けてくれる中間団体が現代には欠けている。SNSがそれになり得るのは難しい。
今こそ「家康」の理想と実践に学ぶべき時
安部龍太郎(作家)
◆家康は八歳から十九歳までの人質時代の経験によって、「穢土を厭い離れ、浄土を欣び求める」という理想を掲げるようになった。
◆欲と敵意がうごめく穢土を離れ、誰もが食べていける浄土を求めるために、家康は「農本主義」と「地方分権」を生み出した。
◆世界は今、ウクライナ危機に象徴されるように、穢土になりかけている。この混迷の時代に、家康が考えた理想と実践から学ぶことは多い。
詳しくは、月刊『潮』2023年4月号をご覧ください。
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