草創期から今日まで続く、創価学会の活動の柱であり、伝統でもある「座談会」。第18巻「飛躍」の章では、その充実に力を注ぐ山本伸一の姿が描かれています。多様な人びとが人生を語り、仏法を語り合う、生命と生命の交流が織りなされる草の根の集いは、無数の庶民の人間革命のドラマを生み出してきました。 2月号『パンプキン』の誌面では、小説の中から、座談会を充実したものにするためのアドバイスや、座談会を舞台に描かれた名場面集を紹介しています。その一部を掲載します。(パンプキン2024年2月号/連載 第125回 データで学ぶ『新・人間革命』より転載) 【 Index 座談会 充実のために】 第18巻 「飛躍」 たとえ参加者が一人であったとしても、全精魂を注いで、全力投球で仏法の話をすること。 生気にあふれ、皆に勇気をもたらす声の響きが大事。 座談会の前後に、激励に歩くことから、座談会は始まる。 日ごろの対話で、皆の要望や意見、それぞれの特技や趣味、また、悩みや功徳の体験を聞くことで、それらを企画などに反映させ、皆が主役となれるよう工夫していく。 座談会のあとの励ましが大事。出席の労をねぎらい、発言を讃え、感想を聞き、次回の参加を呼びかけていく。 一人ひとりの歓喜と生命の躍動が参加者に波動していくのが、活気ある座談会の秘訣。ゆえに、リーダー自らが歓喜を呼び、希望を呼ぶ功徳の体験を積むこと。 ******** 【名場面集】 悲哀の心に希望と勇気の灯を点じる――座談会から始まった世界広布の旅 1960(昭和35)年10月、世界広布の第一歩をしるしたハワイで、山本伸一は座談会を開く。30人ほどの参加者の多くは日系人で、だれもが戦争の経験によって負った傷や、家庭の悩み、言葉も文化も違う異国の地に移ってきた苦労などを抱えていた。アメリカ軍の男性と結婚し、ハワイにやってきたある女性は、経済的困窮に加え、家庭不和、夫の暴力に悩んでいた。 〝日本に帰りたい〟。女性の涙に誘われるように、似たような境遇にあるほかの女性たちの嗚咽が漏れた。伸一は、彼女のつらさも、苦しさも、寂しさも痛いほどわかった。〝だからこそ、なんとしても強く生き抜く力をもってほしい〟と、どこか別のところへ行けば幸せになるという考えではなく、今自分がいる場所に幸福の宮殿を築いていくのが日蓮仏法であること、そして真剣に信心に励むならば、幸福になれないわけは断じてないことを強い確信を込めて語った。 「あなたが幸せになることは、あなた一人の問題にとどまらず、このハワイの全日本人女性を蘇生させていくことになるんです。だから、悲しみになんか負けてはいけません。強く、強く生きることですよ」 なんとしても目の前の一人の心を覆う暗い影を打ち破り、立ち上がる勇気を送ろうとの慈愛にふれ、女性は新たな決意に立った。 座談会で繰り広げられた一人ひとりの蘇生と歓喜のドラマが発火点となって、以後ハワイ広布は大きく伸展していく。伸一の世界平和の旅は、人生の悲哀に打ちひしがれた人びとの心に使命感を沸き立たせ、希望の灯を点じることから始まった。 第1巻「旭日」 ******** この他に、『パンプキン』の誌面では、座談会開催にあたり、注意点や中心者の心構え、また名場面の数々を掲載しています。ぜひご覧ください! ➤パンプキン2月号ご購入はコチラから