梅雨の時こそ幸福力をアップさせましょう
2024/05/30梅雨は体の調子を崩しやすかったり、ジメジメした気候でカビや臭いも気になる季節。
そんなときこそ体の不調のサインを見逃さず、心と体をいたわる大切さと改善策を心療内科医の海原純子さんに伺いました。
(『パンプキン』2024年6月号より転載。取材・文=松田慶子)
梅雨に体調を崩しやすいタイプを海原先生に尋ねると、女性に多く、体質的に変化に弱い人、更年期の人、そして、自分の気持ちをはっきり言えない〝抱え込みタイプの人〞を挙げます。また、人の反応が気になったり失敗を引きずったりする人も心配だ、とも。
「抱え込みタイプの人やくよくよする人は、そのつど解決策を考えて気持ちを処理することが大事です。それには書き出すことが有効。その日の出来事と感じたことを文字にするのです。振り返ることで頭が整理され、次はこうしようなどのアイデアもわき、心が落ち着きます」
文章が苦手ならイラストや絵を描いてもいいので、自分を見直す時間をもつべきだといいます。
「不安や不満を放置したまま漫然と過ごしていると、心の中にごみがたまってしまいます」
では、ストレスをはねのける強さを身につけるには、どうしたらよいのでしょうか。海原先生は、自分自身の幸せを生み出す力、「幸福力」が鍵になると話します。
「〝私は季節の変化に弱いタイプだ〞とか〝更年期だからしかたがない〞と、自分にレッテルを貼って諦める人がいます。そうではなく、〝どうやったら自分が快適に過ごせるのだろう〞〝幸せになれるのだろう〞と考えて、行動してほしい。たとえば更年期で汗が出ても、替えの下着を持ち歩けば快適に過ごせます。人間は人とのつながりがあると心が豊かになるので、勇気をもってイベントや集会に参加してみるのもいいでしょう。そうした自分なりの工夫の積み重ねがストレスに対する強さになり、人生を豊かにすると思いますよ」
梅雨を機に、幸福力を磨きませんか。
気分上々グッズで梅雨を楽しく快適に
グッズの力を借りて気分を上げるのは、ストレス解消の有効な手段。素敵な傘や長靴をそろえると、雨の日の外出が楽しみになります。ロールオンボトル入りのアロマオイルもおすすめです。
疲れたときにくるくるっと一塗りすると、気分晴れ晴れ!
天然の精油を選ぶことがポイントです。
心が疲れた人に「ネコの生き方」を
ストレス社会を生きる現代人にとって「ネコの生き方は学ぶところが多い」と海原先生。ネコは忖度しないし、嫌なことがあったらその場で怒り、後を引かない。「こうしなければ」などと周囲の目を気にせず、自分が本当によいと思うことを大切にして行動します。自発的になると楽しみが増えて、心の満足度もアップ。疲れたときは、ネコの視点になってみては。
『幸福力――幸せを生み出す方法』
定価715円(税込)/潮文庫
心療内科医の著者が、心も体も元気になる「幸福力」の磨き方をアドバイス。人間関係、年の重ね方、リラックス方法など、幸せを呼び込む習慣や心豊かに生きるヒントを紹介。
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心療内科医
海原純子(うみはら・じゅんこ)
東京慈恵会医科大学卒業。同大講師を経て日本初の女性クリニックを開設。ハーバード大学客員研究員、日本医科大学特任教授を歴任。現在は昭和女子大学客員教授を務める一方、ジャズシンガーとしても活躍中。新聞やWEBニュースなどで執筆も行う。近著『幸福力――幸せを生み出す方法』(潮文庫)ほか著書多数。