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【潮7月号の読みどころ】特別企画ほかオススメ記事

【特別企画】創刊64周年記念対談特集

【新連載】鎌田實の「ガラスの天井」を破る女性たち
「好きなことだけを楽しむ」それが健康の秘訣かしら(P.32~)

黒柳徹子(女優/ユニセフ親善大使)&鎌田 實(医師/作家)

◆「ガラスの天井」とは、女性のキャリア形成や能力開発などが妨げられる状態を例えた言葉。社会が元気になるためには、女性の活躍が重要だと鎌田さんは語る。息苦しい時代に風穴をあける女性たちにスポットライトを当てた新連載が、今号からスタート。そして記念すべき第1回目のゲストは、あの黒柳徹子さん!

◆黒柳さんはNHK入社後、現場のディレクターとの関係性に悩んだという。その後、テレビ女優第1号として活躍するようになると、睡眠時間は平均3時間という忙しさ。ついに体に支障をきたし、ドクターストップがかかったことがきっかけで、働き方を考え直すことを決意したという。なお、対談後編は8月号に掲載予定。

◆特別企画では、俳優の高島礼子さんと「渡る世間は鬼ばかり」のプロデューサー・石井ふく子さんの対談を収録。さらに、テレビ番組「料理の鉄人」やくまモンの生みの親として知られる小山薫堂さんと心療内科医として著名な海原純子さんが語り合う「幸福力」も必読だ。

 

【特集】AI時代をどう生きるか
虚々実々の世界で真実を見極める「中道」の知恵とは(P.56~)

佐々木俊尚(作家/ジャーナリスト)

◆近年急速に進歩し続けている生成AI。ディープフェイクといわれる、AI技術を悪用した偽の画像や動画が世界的な問題となっている。AI技術は金融市場への影響も懸念されており、さらに権威主義国家によってSNSにおける謀略戦にも使用されている。国内の攪乱を狙ったSNSの投稿は日常茶飯事になってしまった。

◆出所や真偽不明の情報が溢れる中で、新聞やテレビなどはファクト・チェックの対応をするべきである。だが新聞各紙は部数の低迷に伴って、「残った読者をつなぎ止める」ことに終始し、各紙それぞれが極端な左右の論調に傾斜している。「不偏不党の姿勢でファクト・チェックする」機能が有効に働いていないメディアへの信頼は揺らいでいる。

SNS、特にX(旧ツイッター)は異様なほど政治的になり、言論の分断が指摘されている。SNSも新聞もテレビも、声の大きい極端な左右それぞれの勢力に引きずられ、良識的な中道の右派・左派の主張が、極端な言説に埋もれてしまいがちだ。中道の世論を可視化するプラットフォーム・メディアが出てくる必要がある。

 

公明党が「本気の政治改革」に取り組む理由(P.72~)

中川康洋(公明党衆議院議員)

◆自民党派閥の政治資金問題を受けて、清潔な政治の実現を党是とする公明党は、本年1月に他党に先駆けて「公明党政治改革ビジョン」を打ち出した。さらに、419日に具体的な法案要綱案を真っ先に発表。大事なことは、政局ではなく、二度と今回のような政治とカネの問題を起こさせないために、実効性のある改革を進めることだ。

◆公明党は2009年の「陸山会事件」など、“政治とカネ”の問題が相次いで発覚した民主党政権時代にも、政治資金規正法改正案を国会に提出し、民主党政権の歴代首相らに実現を迫った。しかし、審議未了で廃案になっている。この苦い経験から、既存の法律の不完全性を改めるために「罰則の強化」と「透明性の確保」を打ち出した。

◆政治資金規正法はすべての政党や議員にかかわる法律である。だからこそ与野党協議を経て、すべての政党が提出者となることが理想で、公明党執行部として与野党協議の重要性を主張してきた。政策活動費の支出とは無縁の公明党が、真剣に政治改革に取り組むのは、国民の政治への信頼を取り戻したい、ただその一点に尽きる。

 

【特別寄稿】池田・トインビー対談の現代的意義(P.120~)

河合秀和(学習院大学名誉教授)

◆河合氏がトインビー博士と池田会長の対談集(英語版)を知ったのは、オックスフォード大学で研究員を務めていた1976年のこと。河合氏の師匠で20世紀最高の自由主義哲学者と評されるアイザイア・バーリン氏が、この対談を読み、「イケダのほうがトインビーよりセンシブル(思慮深い)だ」と語っていたのが印象に残っていると語る。

◆河合氏は、他者の希望と悩みを理解し、自らの希望と悩みを表明することで、それぞれに言葉と論理を鍛えていく創価学会の「座談会」に注目。自他の間の相互理解が生じれば、共同行動に出る動機も生まれてくるとの指摘に加え、この対談は二人の間で行われた「座談会」であったのではないかと考察する。

◆だが、こうした相互理解と共同行動の可能性は、現代では大きく破壊され、弱体化されつつあるとも語る。トインビー博士と池田会長は「共通の感覚(コモンセンス)」を広げていく偉大な常識人であったが、この二人の間に築かれた「常識」の精神が、混迷の時代にどう引き継がれていくのか、と河合氏は問いかける。

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