物価高と闘う公明党――備蓄米の活用でコメの供給を安定化へ
2025/05/26昨年来、コメなどの価格高騰が家計を直撃しています。庶民の政党・公明党は、その対策に真剣に取り組んできました。農水大臣政務官を務めるなど、対策の最前線に立ってきた高橋みつお参議院議員に、舞台裏を伺いました。
(月刊『パンプキン』2025年6月号より転載。取材・文=前原政之)
******
昨夏に備蓄米が出せなかった理由
さまざまな物価が高騰するなか、切実なコメの価格高騰に、ここでは話を絞ります。
ニュースでよく聞く「政府備蓄米」とは、毎年20万トンずつコメを蓄えて100万トンの量を確保し、古いものから飼料米などにして入れ替える制度です。備蓄米の使用には食糧法による制限があり、10年に1度の大凶作や、大災害でしか使えません。昨夏はその基準に当てはまらず、コメ不足でも備蓄米を出せなかったのです。
コメ不足の要因に、前年の酷暑により思ったよりも良質なコメが収穫・確保できなかったことや、8月8日に南海トラフ地震の臨時情報が発表されたことで、コメの買いだめをする動きが広まったことなどがあります。
また、流通が滞るお盆休みの時期が重なり、不足が深刻化した面もあります。さらに備蓄米は政府の意思決定だけではなく、有識者などが集う「食料・農業・農村政策審議会」に諮らないと出すことができません。
再発防止の仕組みづくり
当時、私は農水大臣政務官を務めていたこともあり、コメ不足に際して「公明党は何をやっているんだ!?」というお叱りを頂戴しました。そのため、昨夏のような状況を繰り返してはならないとの決意に立ち、再発防止の仕組みづくりに取り組みました。
具体的には、コメ不足の際には備蓄米を民間に貸し出し、事態が落ち着いたら同量のコメを返してもらうことで、100万トンの備蓄を維持しつつ、機動的に備蓄米を活用できる仕組みの創設を提案。本年1月に先述の審議会(食糧部会)で了承され、進行中の備蓄米活用の道が開かれました。
併せて私が提案したのは、物価高で食材の寄付が集まりづらくなった「フードバンク」(福祉施設や困窮世帯などに無償で食品を提供)への備蓄米の無償交付です。それが実現し、フードバンク関西(神戸市東灘区)では、兵庫県内のひとり親家庭など414世帯への進級・進学パックに備蓄米を送り、「とても助かりました」との喜びの声を多数いただきました。

今年に入ってからのコメ高騰の要因のひとつとして、JA(農協)へのコメの出荷が例年に比べ31万トン減っていることが挙げられます。その根本原因は、コメ価格が安すぎて、農家さんにとって旨みがないことです。
したがって、公明党は与党として、コメをはじめ食料生産のコストを見える化し、生産者から集荷・卸売・小売業者や消費者までの関係者が納得できる価格を形成するために、必要な対策を施す法律案を推進。今国会で成立を目指し、高温耐性品種の開発や農家支援と合わせて実施していきます。
国と地方のネットワークで物価高と闘う
ほかにも公明党は多くの物価高対策を推進しています。兵庫県では「はばたんPay」という家計応援のプレミアム付デジタル券の販売を党兵庫県議団が県に申し入れて実現しました。これは5000円で購入して6250円分(一般枠)の買い物ができる商品券で、コロナ禍以来、国会で公明党が推進した「地方創生臨時交付金」(現・重点支援地方交付金)をもとにしていて、公明党のネットワークから生まれた物価高対策のひとつです。
庶民の暮らしを守り抜くのが公明党の使命です。公明党が与野党の橋渡し役となって合意形成を推進し、"国会議員と地方議員の合わせ技"で、生活者を守る政策を推進していきます。
光熱費・燃料費対策も公明党がリード
電気・ガス・ガソリン代は、「高騰している」というイメージだけがあるかもしれません。しかし、コロナ禍以降、政府は継続的に補助を行っており、それがなかったらもっと高くなっているのです。
たとえば、電気・ガス代は2023年1月から25年3月まで本文中に記載の交付金による補助を継続してきました。ガソリン補助金は22年1月の開始以来、延長を繰り返し、すでに8兆円以上の予算を計上しています。25年3月末で打ち切り予定でしたが、政府は物価高騰を踏まえ、4月以降もさらに延長しました。こんなに長く補助をしている国は、ほかに見当たりません。仮に補助がなければ、1リットル200円は優に超えているでしょう。
そして、それらの補助金と延長は、公明党の提言で実現を重ねてきました。
******
公明党参議院議員
高橋みつお(たかはし・みつお)
1977年兵庫県生まれ。元外交官。大阪外国語大学(現・大阪大学)在学中に外交官試験に合格し、中退。のちに中央大学法学部卒業。2019年、参議院議員選挙兵庫選挙区で初当選。23年9月~24年10月まで農水大臣政務官を務めた。公明党学生局長、党青年副委員長、党兵庫県本部副代表。神戸市在住。