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【潮12月号の読みどころ】特別企画ほかオススメ記事

月刊「潮」2025年12月号(11月5日発売)のオススメ記事の読みどころをご紹介します。

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【特別企画】政治家の本分はここにある!
"右の霧の中"に消えた自民党——高まる公明党の存在感(P.32~)
牧原 出(東京大学先端科学技術研究センター教授)

野党に転じて閣外協力もしない公明党は、これから国政においてどんな仕事をするべきだろうか。今こそ公明党が旗振り役となって、五党協議の場を設置するべきだと私は思う。自民党・公明党・立憲民主党・国民民主党・日本維新の会の五党が一つのテーブルにつくのだ。高市政権の右旋回を食い止め、同時に最大野党である立憲民主党を左旋回させず中道に引き寄せる。与野党が右バネや左バネに振れることを防ぎつつ、政治改革を前に進めるため各党に協議を呼びかけるのだ。(P.38)


ヒューマンストーリー 村上大樹
度重なる医療への攻撃――日本人外科医が見た南スーダンの現実(P.72~)

念願が叶い、2008年にMSF(国境なき医師団)スタッフとして初派遣される。(中略)以来、村上は紛争地や災害地など過酷な現場を十数回にわたって経験してきた。その中で培われたのは、医療技術だけではない。スタッフとの信頼関係、現地文化の理解、限られた資源で最大の成果を出す判断力、そして自らを律する精神性など、多岐にわたる。「必死に命を助けようとしても、現地の文化によっては『このまま死んだほうが幸せだ』と患者さんの周囲の人に言われることもあります。医療者の使命として、助けられる命は助け続けますが、正解は一つではない世界があることは強烈な学びでした」(P.77)


【シリーズ】シニアのための「生き生き」講座
「終の住処」が見つからない——高齢者の賃貸のリアル(P.90~)
松田 朗(「高齢者住まい相談室こたつ」室長)

高齢者の入居が断られる最大の理由は孤独死のリスクです。(中略)子どもがいない高齢者や、何らかの事情で子どもと縁遠くなっている高齢者の入居は好まれません。定期的に見守ったり、すぐに駆けつけてくれる身内がいないとリスクが高いのです。反対に、家族でなくても、ホームヘルパーやデイサービスなど介護サービスを利用していれば安心材料になります。とにかく、まめに自宅に様子を見に来て生活支援をしてくれるような「人の目」があるかどうかが重要です。(P.92-93)


【連載】高島礼子の歴史と美を訪ねて 第62回
3000人の震災の記憶を伝える「時の海-東北」プロジェクト(P.180~)
高島礼子(俳優)VS宮島達男(現代美術家)

「なぜアートが大切かといえば、一つには、アートが言語や文化の壁を超えて人と人の心を結ぶ力を持っているからです。そしてもう一つには、アートが人の想像力を喚起し、涵養するものだからです。『人の痛みを想像できる力こそ、最高の想像力だ』とも言われています。つまり、アートを愛する人は、想像力を育むことを通じて、人の痛みがわかる人になれる。二つの意味で、アートは世界を平和の方向に向ける力を持っているのです」(宮島)(P.187)