歯磨きのNGを知ろう
2023/07/11ushio情報box 口腔ケアで健康長寿
(『潮』2023年7月号より転載)
歯磨きの際、次のようなことはありませんか。振り返って、ぜひ改めましょう。
「歯ブラシを濡らしてから使う」のはNG
水で濡らした歯ブラシに歯磨き剤をつけて歯を磨き始めると、たいていは歯磨き剤に含まれる発泡剤の効果により泡立ちすぎてしまいます。それでは「磨いた気になってしまい」がちで、結果的に磨き方が足りないことが多いのです。
歯ブラシは濡らさず、乾いた状態で使いましょう。
「歯磨き後、すぐに口をすすぐ」のはNG
歯磨き剤にはさまざまな薬効成分が含まれていますが、歯磨きをした直後に口をすすいでしまうと肝心の薬効成分が流れてしまい、効果を発揮できません。すぐに口をすすがず、できれば30分ほど薬効成分が働く時間をおいてすすぐことをお勧めします。
なお、すすぐときはたっぷりの水は禁物。少量の水を使って、1回だけでOKです。「口の中に歯磨き剤が残るのは気持ちが悪い。やっぱりよく洗い流したい」という人はすすぐ前に口の中のアワアワを簡単にペッと吐き出しておくと、それほど歯磨き剤が気にならなくなります。その後、時間を置いてからすすぎましょう。
「出血しているときに歯磨きをしない」のはNG
歯を磨くと血が出るのは、歯周病などで歯茎が腫れているのが主な原因です。血が出ると「歯磨きをすると、もっと歯茎が傷ついて出血するのではないか」と、つい歯磨きを敬遠したくなりますが、それは逆効果。ますます症状が進行して出血することになります。
重要なのは血が出るところほど細かくていねいに磨くこと。少しずつ歯茎が引き締まってきて、出血しなくなるでしょう。
忘れないで!
こんな歯磨きが大事です!
1.歯ブラシは乾いた状態で使う
歯磨き後はきちんと洗って、よく乾燥させておきましょう。
2.歯磨き後は時間をおいて少量の水ですすぐ
できれば歯磨き後、少し時間をおいてから。
大さじ1杯(15ml)程度の水を使うのが目安。
3.出血してもていねいに磨く
出血する人は歯と歯茎の境目にやわらかい歯ブラシを当てて、1回につき10分間はていねいに歯を磨きましょう。
◆注意点
心臓病や脳卒中などの病歴があり、血液をサラサラにする薬を飲んでいる人は、歯磨きの際に出血することがあります。これは薬が効きすぎているせいかもしれません。出血する場合は、かかりつけ医に一度、相談してみましょう。
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文:内住弓貴子
イラスト:白髪エイコ