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デンタルフロスを使おう

ushio情報box 口腔ケアで健康長寿
(『潮』2023年8月号より転載)

 

毎日ていねいに歯磨きしていても、歯ブラシを使うだけでは十分とはいえません。
磨き残しをなくすには、デンタルフロス(糸ようじ)は必須です。
「使うのが難しそう」と敬遠しないで、ぜひチャレンジしてください。

 

歯磨きに欠かせないデンタルフロス

 歯磨きの際、磨き残しやすい部分は歯間部の歯垢です。実は、歯ブラシを使っただけでは6割程度しか取り除けていないのが現状。というのは歯ブラシの毛先だけでは歯と歯の接触部分や歯と歯肉の間の浅い溝に溜まった歯垢を十分に掻き出すことが難しいためです。
 ぜひ、デンタルフロスを使いましょう。これは細いナイロンなどの糸で、歯ブラシと併用すると磨き残しやすい部分の歯垢が効率よく除去できるため、除去率は約9割までアップします。最低1日1回、食後に使って口内を清潔にしましょう。

 

歯の側面をこするように動かす

 デンタルフロスには「ホルダー(持ち手)付きタイプ」と「糸巻きタイプ」の2種類があり、フロスを歯と歯の間に挿入して使います。

 ホルダー付きタイプはホルダーを持って操作するので簡単です。
 一方、糸巻きタイプはフロスが巻いてある状態で市販されているのでフロスを適度な長さに切って使います。歯の側面のカーブにフロスを沿わせやすいので、ホルダー付きタイプより除去率が高いのがメリットです。
 どちらも歯肉に少し当たるくらいまでフロスを差し入れて使うとよいでしょう。ただし、あまり深く入れると歯茎を傷つけるので要注意。
 ポイントは歯の側面のカーブにフロスを密着させ、歯垢をからめとるようにゆっくり動かすことです。

 

◆デンタルフロスはこうして使おう◆

・フロスを出し入れするとき
ノコギリを引くように、前後に小刻みに動かしながら歯と歯の接触部分を通過させます。

 

・ホルダー付きタイプの場合
ホルダーを持って、フロスを歯間に入れ、歯の側面に沿わせて前後に動かします。フロスの高さも少しずつ変えましょう。

 

・糸巻きタイプの場合
①巻いてあるフロスを手のひらに1回半巻き付けて切ります。両端を結んで輪にしたものを使います。

②親指と人差し指の間にフロスを張り、指の間のフロスの長さは1~1.5cmくらいになるよう調整します。

 

③フロスを歯間に入れ、親指と人差し指でフロスを支えながら歯の側面に沿わせて前後に動かします。フロスの高さも少しずつ変えましょう。

 

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文:内住弓貴子
イラスト:白髪エイコ

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