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【潮2月号の読みどころ】特別企画ほかオススメ記事

『潮』2024年2月号(1月5日発売)のオススメ記事を、読みどころとともにご紹介いたします。
※『潮』2月号をご購入をご希望の方はコチラから。

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【特別企画】2024年 世界と日本が直面する難問(アポリア)

ウクライナと中東――国際秩序の危機と日本の使命(P.32~)
寺島実郎(一般財団法人日本総合研究所会長/多摩大学学長)

●ウクライナ戦争と、イスラエル・パレスチナ問題の根底にあるのは、「9・11」後に起きた、アメリカ一極支配の20世紀型システムの融解である。
●「キリスト教のユダヤ化」によって、アメリカはイスラエルへの傾斜を強めてきた。ネタニヤフ政権の右傾化も相まって強硬政策が続いている。
●中東の破滅を未然に食い止めるために、まずはガザ地区での停戦、続いて中東の非核化を進めることが日本の「独自外交」「バランス外交」だ。


Z世代は知っている「弱いアメリカ」の矛盾と歪み(P.40~)
三牧聖子(同志社大学大学院准教授)

●莫大な犠牲を出した対テロ戦争と世界最悪の被害となったコロナ禍を経て、アメリカのイメージは「豊かで強い」国から転換しつつある。
●アメリカのZ世代は社会主義にシンパシーを抱いたり、パレスチナ人に共感したりするなど、上の世代と異(こと)なる感覚をもっている。
●アメリカが「弱い」時代の国際社会で日本は、G7との一致を目指すばかりでなく、普遍的理念に基づく一貫した外交を展開するべき。


米露中欧の行動原理から読み解く緊迫の国際情勢(P.48~
池上 彰(ジャーナリスト)

●ガザ危機において、ヨーロッパはユダヤ人への贖罪意識から、アメリカはロビー団体や福音派の影響力からイスラエルを支持している。
●中国が近いうちに台湾を侵攻するとは考えにくい。二段構えで統一をもくろむ中国には中長期的なスパンで戦略をつくる必要がある。
●もしトランプがアメリカ大統領に再選すれば、国際的な枠組みからの脱退や在韓米軍の撤退を行い、大混乱を及ぼす可能性がある。


特別ルポ前編
冬よりも無関心が怖い――ウクライナの現実(P.56~)
宮内悠介(作家)

●2023年10月、ロシアからの侵攻が1年半を過ぎたウクライナを訪れた。まずは避難民が多く集まる隣国・ポーランドへ向かい、日本語学校を経営しながら支援活動をしている坂本龍太朗さんに、避難民の実状を聞く。
●そして片道15時間のバスでウクライナのキーウへ。通訳のNさんの出身地であるマリウポリはロシアの支配下にあり、今回の戦争で9割の住宅が破壊された。現在は比較的平穏なキーウだが、Nさんの心には戦争の影響が強く残っていた。
●翌日は開戦当時に虐殺があったことで知られるブチャを訪れ、通訳のSさんに現地を案内してもらった。およそ300人が避難したという幼稚園の地下の壁には、草原や空の絵が描かれていた。子供の心を少しでも明るくしたい、そんな思いが生んだ壁のペイント――。
戦地・ウクライナをめぐる旅は次号へつづく。


【特集】池田大作第三代会長と月刊『潮』の63年(上)(P.80~)
月刊『潮』編集部・編

●小社創業者である池田第三代会長は、1960年7月に月刊『潮』を創刊。以来、63年間にわたって、数多くの論文や手記、対談をご寄稿いただいた。
●そこで『潮』に発表されたすべての記事を一覧にしてご紹介。第1回は、1960年から1989年に『潮』に発表された記事を掲載する。
●フランスを代表する作家のアンドレ・マルロー氏や文豪・井上靖氏、周恩来総理夫人で戦友の鄧穎超(とうえいちょう)女史と池田第三代会長の写真とともに、『潮』と池田会長の歩みを辿る。



【特集】社会を覆う「空気」の正体
女性には戦争を止める力がある――無意識の殻を破って(P.64~)
瀬谷ルミ子(認定NPO法人REALs理事長)
&坂東眞理子(昭和女子大学総長)

●総理府・内閣府で男女共同参画に尽力し、昭和女子大学で新しい女性教育の改革を進めてきた坂東さん。一方、瀬谷さんは紛争地で元戦闘員の社会復帰支援に携わってきた。
●紛争ではレイプなどの被害が多く発生。さらに、復興や和平のプロセスから疎外され、被害のしわ寄せを受けるのは女性が多い。だからこそ瀬谷さんは、女性が復興や和平の担い手になれると考え、女性の紛争解決人の育成なども行っている。
●坂東さんは、日本には「アンコンシャス・バイアス」(無意識の思い込み)に囚われる女性が多いと危惧する。一方の瀬谷さんは、紛争地の経験から得た「女性の権利を尊重する社会づくり」の手段を紹介。最後に坂東さんは「紛争地は何かを与えたり憐れんだりする対象ではなく、そこから多くのことを学んでいくべき」と結論付ける。


「LGBTQ差別」のない社会へ、私たちができること(P.72~)
遠藤まめた(一般社団法人「にじーず」代表)&森 達也(映画監督/作家)

●2023年6月にLGBT理解増進法が成立する前後から、SNS上ではLGBTQへの差別投稿が激増していた。トランスジェンダー当事者として、支援活動に従事してきた遠藤さんは、人間の心の問題を考えず、法律を制定するだけでは差別をなくすことは難しいと語る。
●森さんは、人間は自由が怖い生き物なので、集団化し、ルールや空気に縛られることで安心すると指摘。そうした「モノ言えぬ空気感」こそ、LGBTQへの差別と偏見がまかり通ってきた原因ではないかと遠藤さん。一方で、飛行機や新幹線の男女共用トイレなどの事例から、差別や偏見を乗り越えるための方向性を語り合う。
●SNS上での過激な中傷・フェイクニュースに関して、森さんは匿名アカウントにより容易に人を傷つける言動がしやすい状況があると語る。異なる他者と顔を突き合わせてコミュニケーションをとることで、そうした差異化を乗り越えられるし、インフルエンサー(影響力のある発信者)が、SNSの使い方について真剣に考えるべきだと述べた。