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上手に活用したいマウスウォッシュ

ushio情報box 口腔ケアで健康長寿 (最終回)
(『潮』2023年12月号より転載)


歯ブラシやデンタルフロスによる口腔ケアを補うものとして液体タイプの「マウスウォッシュ」があります。
洗口液と液体歯磨きに大別されますが、違いをよく知って使い分けることが必要です。

 

口内に行きわたりやすいマウスウォッシュ

 液体タイプの口腔ケア商品「マウスウォッシュ」には、洗口液と液体歯磨きがあります。液体なので歯間などの隅々に行きわたりやすいのがメリット。含まれる有効成分の違いから大きく「化粧品」と「医薬部外品」に分類され、その効果に違いがあります。

 洗口液は口に含んでから吐き出します。口臭防止効果のために使われることが多いようですが、医薬部外品には歯周炎の予防、歯垢(プラーク)の沈着防止などの効果を持つ成分が含まれているものもあります。

 液体歯磨きは口に含んで、あるいは吐き出してからブラッシングします。通常の歯磨き剤のように研磨剤は入っていません。医薬部外品には口臭予防、歯肉炎予防、虫歯予防、歯垢の沈着防止、歯を白くするなどの成分が含まれているものも数多くあります。

 市販されている商品はデンタルリンスやマウスリンスなどと呼ばれることもあり、混乱しがちですが、洗口液か液体歯磨きかは明記してあるので、説明書きをよく読み、効能・効果をチェックして選びましょう。

 

歯磨きの補助としてじょうずに使う

 心得ておきたいのは、マウスウォッシュでは歯垢を取り除くことはできないという点。口腔ケアの基本はあくまで歯ブラシによる歯磨きであり、マウスウォッシュはその手助けに過ぎません。マウスウォッシュを過信せず、歯磨きは手抜きをしないことが大切です。

 とくに、洗口液は使い方が簡単で爽快感が得られるため、歯を磨いたような錯覚に陥りやすいので、要注意。また、洗口液を使いすぎると口内の善玉菌を減らし、虫歯や口内炎などを引き起こす恐れもあります。使いすぎないようにしてください。

 

液体歯磨きでは

●適量を口に含んで、あるいは吐き出してから、ブラッシングを。あとはすすがなくてもOKです。研磨剤は入っていないので、歯茎にやさしく磨けますが、着色汚れを取り除く効果はあまり期待できません。

 

洗口液では

●適量を口に含み、20秒ほどクチュクチュして液体を口内に行きわたらせたら、吐き出します。そのあとすすぐ必要はありません。歯磨きのあとや就寝前の使用がおすすめ(1日2〜3回程度)。

 

歯科の受診も忘れないで!

●口腔内の健康を保つためには、自分で行う口腔ケアと併せて歯科医を受診し、歯石(自分では取り除けない)の除去、歯肉や歯周ポケット(歯と歯肉の間にできた隙間。歯垢が溜まると歯周病を悪化させる)の洗浄などを歯や歯茎の状態に応じて定期的に(できれば半年に1回以上)受けることが重要です。

 

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文:内住弓貴子
イラスト:白髪エイコ

参考文献/『歯科関連疾患の予防マニュアル』(法研)、
『早引き介護の口腔ケアハンドブック』(ナツメ社)など

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