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髪の悩み&粋ポイント

ushio情報box 生き活き粋に!健康シニア生活
(『潮』2024年2月号より転載。イラスト=白髪エイコ)

 

抜け毛をチェックする

 冬は乾燥した空気が髪にダメージを与えます。一日の抜け毛の数が50~100本程度であれば正常範囲ですが、それ以上抜けたり、毛根が小さく細くて短い若い髪がたくさん抜けたり切れたりする場合は要注意。

 男性の場合は、男性ホルモンが脱毛に関係している場合があり、この男性型脱毛症(AGA)には、フィナステリドが配合されたプロペシアという飲み薬が効果を発揮する可能性があります。それと同時に毛母細胞を活性化して、発毛を促進するミノキシジルという頭皮に塗布する薬を使用することで、内側からも外側からも、髪の悩みを解決できるかもしれません。

 皮膚科に相談したことがきっかけで、タバコをやめたり、お酒の量を控えたり、脂っこい食事やインスタント食品から、野菜やたんぱく質、ミネラルを含む食事に変えたり、ウォーキングを始めたりするなど、生活習慣を見直して、髪も元気になったという人もたくさんいますので、医師に相談しましょう。

 一日に何度もシャンプーしたり、髪をきつく結んだり、ヘアピンを使ってアップにしたり、ワックスやスプレー、ジェルなどのスタイリング剤をよく使ったり、カラーリングやパーマをかけて髪が傷んでいたり、ストレスが多い生活が続いたりしている場合は、生活習慣を見直す必要があります。

 たんぱく質は、筋肉・内臓・皮膚・爪・髪など人の体をつくるために必要な栄養素で、日本人の成人男性だと一日65g、女性は一日50g程度を摂取する必要があり、毎食のカロリー量の約14~20%はたんぱく質から摂取する必要があるといわれています。

 マリー・アントワネットの美髪が処刑前夜、一夜にして白髪になってしまったという言い伝えは有名ですが、私たちの髪もストレスの影響で白髪になり、ストレスが少なくなると、また元の髪色に戻っていることが米国コロンビア大学の研究で明らかになりました。

 米国ハーバード大学ブリガム&ウイメンズ病院のコホート研究で、染毛剤(髪染め)の使用は死亡率を高めることに関連していないことがわかりましたが、染毛剤の累積量が多い女性は乳がんや卵巣がんのリスクが、やや高まることが判明しました。染毛剤を使用するときには頭皮に付着しないようにするなど、引き続き注意が必要かもしれません。黒髪の日本女性にとって一番安心なのは、やっぱり白髪を隠さずにグレイヘアーでいることかもしれませんね。

 

鳥肌で髪が元気になる?!

 ハーバード大学と台湾大学の研究で、鳥肌を立たせる細胞が髪を再生させる幹細胞の調節に関与していることが明らかになりました。交感神経は寒冷刺激(寒さ)に反応するため、短期的には筋肉を収縮させて鳥肌を立たせ、長期的には毛包幹細胞の活性化と新しい毛髪の成長を促進するそうです。私は髪を守るために、以下のことに気をつけています。
①毎日抜け毛の本数と傾向をチェック
②シャンプーは2~3日に1回
③柘植櫛(つげぐし)でブラッシング
④ナイトキャップを被る
⑤髪のためにたんぱく質をしっかり摂る
⑥よく眠る
⑦定期的に美容院に行き、プロ目線で髪の老化をチェックしてもらう

 

髪を守る粋ポイント

野菜と肉・魚・豆類をしっかり食べる
自分好みの気分転換でストレスを克服
不安、悩み、落ち込みを回避
髪の乾燥に要注意
ヘアケア製品を使いすぎない
 強風ドライヤーや高熱アイロンは避ける
ヘアサロンでプロのアドバイスを聞く

 

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文:宇山惠風(うやま・けいふう)
医療ジャーナリスト