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古川智映子さんが語った「負けない人生の秘訣」

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時代を切り開いた女性の物語を執筆してきた作家の古川智映子さん。小説「土佐堀川」を原案本としたNHKの朝ドラ「あさが来た」は、日本中で大きな話題となりました。2025年には、自伝エッセー『負けない人生』の朗読が全国18の放送局のラジオ番組で配信されました。92歳でこの世を去る直前まで精力的に活動された古川さんに"負けない人生の秘訣"を伺った、2023年の記事を特別公開させていただきます。

(『パンプキン』2023年1月号より転載。取材・文=鳥飼新市 写真=後藤さくら)

勇気が湧き 心がきれいになった

毎年新年の三が日、一日は創価学会の勤行会に出席、二日は箱根駅伝などのテレビを観る。三日も駅伝、正月特別番組のドラマも観たりする。三が日とも、祈りは欠かさない。近年は、ひときわ箱根駅伝の中継に熱が入る。ひいきの創価大学のチームが出場するようになったからだ。 もうひとつ、恒例がある。「さらなる宿命転換を祈る年」「健康増進を祈る年」……と、その年の自分自身のテーマを決めることだという。 「私の場合、毎年、必ず"祈り"という行為がつくのが特徴なの……」と、古川さんは微笑む。 「一にも祈り、二にも三にも祈り。祈ることこそが、私の負けない人生の秘訣なんです」 古川さんが仏法と巡り合ったのは、絶望の真っただ中でのこと。結婚して9年、最愛の夫が貯金一切を持って愛人の元に走ったのだ。残ったのはまだローンがある家だけだった。 青森は弘前の旧家の一人娘で、他人を疑うことなど知らずに育った。泣き虫で、弱虫で臆病だった。雨戸を閉めたまま家の中で息を潜め、ただただ「私がいたらなかったからだ」と自分を責め続けた。 「自殺を考えるほど、苦しんだこともありました」 お金もない。近所の野原の雑草を摘んで食べたこともあった。そんなとき知り合いの母娘おやこから仏法の話を聞いたのだ。

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