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一人ひとりと"対話"するような気持ちで歌います!(横山だいすけさん)

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あらためて感じた生の音楽のもつ力


一人でしゃべって歌うというソロコンサートは初めてなので最初はドキドキヒヤヒヤの連続。昨年11月にまず大阪で開催したが、小学生から年配者まで幅広い年齢層、しかもこれまで"だいすけお兄さん"を知らなかった観客も同じ空間で一緒に音楽を楽しみ盛り上がってくれたのは「初めて見る景色ですごくうれしかった」。演目の中でもイタリアのカンツォーネ「オー・ソレ・ミオ」と劇団四季のミュージカル「ライオンキング」のナンバー「終わりなき夜」は特に思い出深いという。


「前者は僕が学生のときに勉強して好きだった曲で、発表会で披露しただけだったのでちょっとちゅうちょしましたが、今回歌ったら皆さんが聞いたことのない声やふれたことのない雰囲気だったこともあってか、"ウワ~ッ"とすごい盛り上がりでした。


後者は劇団四季に入ったら『ライオンキング』に出たいという夢があって、ずっと練習し続けていた曲でした。でもすごく難しい曲なので、歌いきれる自信がなくて。実際、劇団で披露する機会もなく、練習し続けただけで終わってしまった。


でも劇団四季の同期が大阪公演を見にきてくれて、つらいときに励まし合った仲間たちが僕がこの曲を歌うのを泣きながら喜んでくれました。僕を支えてくれた仲間たちにちょっと恩返しができたかな」

 

音楽を聞くきっかけはテレビでもSNSでもいいが、足を運んで劇場で聞く生の音楽はまったく別物だという横山さん。


「その感動は一生心に残ります。今まで子どもたちに歌を届けてきて、"だいすけお兄さんの生の歌ってテレビとは全然違う! 感動しました! 涙が出ました!"って、子どもたちって自分の思っている以上の感動があったときに心が動くんです。子どもは言葉でなく表情や音色に動かされます。本当に感動したら笑顔になるし、楽しくないときは眠そう(笑)。だからこそ直球勝負。噓は通じません。そういうフィールドでずっとやってきたから、生の音楽の力がわかるんです。


それを感じているからこそ人生を賭けてやり続けたいし、生きて生活していくことがすごく大変で芸術にお金を使うことが難しい今の時代に、"足を運んでよかった、また明日がんばろう"と思える空間をつくっていくことが僕の使命だと思っています」

今回の東京公演の見どころは「"来てよかった!サイコー"って皆さんの心の叫びが聞こえるくらい、僕の人生を賭けて皆さんを笑顔にしたい! 目を合わせて音楽を共有し、語り合う。来てくださった一人ひとりとの対話だと思っています」と目をキラキラ輝かせる。


自身も子どもができたことで、家庭を守るには時間と労力とお金がかかることをあらためて実感しているという横山さん。コンサートに足を運んでくれる人はいろんなことを調整し、切り詰めて来てくれる。だからこそ最高の思い出をプレゼントしたいと話す。


「人間、心に余白がなくなるとイライラしたり余裕がなくなったりします。豊かに生きていくには、お金じゃなく心が豊かであること。音楽で心に余白をつくることで、皆さんの人生の豊かさのちょっとしたお手伝いができればいいな。


今は日本の多くの人たちが我慢して、苦しんで、もがいている。大人が元気になれば、子どもたちは必ず見ているし、それが日本の未来を明るくしていく力になると思います」


最後に読者へのメッセージを伺うと、


「この記事を読んでいただき、僕がどんな気持ちでこのコンサートに臨んでいるかを感じてもらえたと思います」とにっこり。


「読者の皆さんが今日を、明日を笑顔でいることを願いつつ、僕もこのコンサートで笑顔の種をいっぱいお届けしたい。そしていくつになっても夢をもって!


僕自身も"うたのお兄さん"を卒業したから終わりではなく、これを新しいスタートとしてがんばりますので、皆さんも1つでも2つでも夢をもってもらえたらうれしいです」


"うたのお兄さん"から"歌のエンタテイナー"へと羽ばたく横山さん。その心打つハーモニーに期待が膨らむ。

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