村上祥子さんのがんばらない料理ノート
2023/08/15暑いと食欲が落ちたり、胃腸の機能が衰えがちです。
火を使って調理するのも敬遠したくなりますがそこはしっかり食べて、厳しい暑さを乗り越えましょう。
『パンプキン』2023年8月号より転載
(レシピ制作、調理、栄養理論=村上祥子、撮影=中野正景、取材・文=石井美佐)
たんぱく質を主役に据えて食事を考えます
夏にスタミナ切れになってしまわないようにするために、なんといっても筆頭に大切にしたいのがたんぱく質です。たんぱく質はためておくことができない栄養素で、体を作るもとになるものです。80代でも1日に約400gのたんぱく質食材が必要で、これを3食でとるわけですが、夏場は不足しがちになります。そうするとスタミナ切れが起きてきます。そこでおやつに甘いものを食べるように、ちくわや魚肉ソーセージなどのたんぱく質食材を、意識的にとるとよいですね。ちくわ2本は卵1個とほぼ同量のたんぱく質を含んでいます。また、たんぱく質を体の中で消化、吸収、代謝させるためにはビタミンや炭水化物がないとうまく働きません。それらも忘れないようにしたいものです。
暑い地方の料理
ガパオライス
タイ料理の人気のメニュー 味の決め手はナンプラー
レシピ
材料(2人分)
鶏ひき肉…200g
玉ねぎ(みじん切り)…1/4個分
赤ピーマン(ヘタと種を除いて1cm幅短冊切り)…1個
※A
ごま油…大さじ1
ナンプラー(またはうす口しょうゆ)…大さじ1
一味唐辛子…少々
バジルの葉…10枚
卵…2個
サラダ油…少々
温かいご飯…茶碗2杯
コショウ…少々
作り方
①耐熱ボウルに鶏ひき肉を入れ、Aを加えて混ぜる。上に玉ねぎ、赤ピーマン、バジルの葉6枚をのせ、ふんわりとラップをして電子レンジ600Wで6分加熱する。
② ①を加熱している間にフライパンにサラダ油をひき、目玉焼きを作る。
③器にご飯を盛り、①をかけ、②をのせ、飾り用のバジル4枚を添え、コショウをふる。
食欲がないときにおすすめ
3種のとろとろスープ
スルッと飲める健康的なネバネバ食材で胃腸を調(ととの)えます
左下:3種のとろとろスープ
右上:白マーボー ※レシピはパンプキン8月号をご覧ください
レシピ
材料(2人分)
長いも(皮をむいた正味)…60g
モロヘイヤ(硬い軸を除いた正味)…100g
もずく酢…1パック(60g)
冷水…1/2カップ
※A
アマニ油(またはオリーブ油)…小さじ2
ニンニク(すりおろし)…小さじ1/4
塩…少々
作り方
①長いもは薄切りにし、重ねて細切りにしたあと、包丁でたたいて粘りを出す。
②モロヘイヤは葉の部分をゆで、冷水(分量外)にとって絞り、細かく刻んで粘りを出す。
③ボウルにもずく酢を添付のタレと一緒に入れ、①、②を加えて冷水を注ぎ、Aを加えて混ぜる。
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料理研究家/管理栄養士/公立大学法人福岡女子大学客員教授
村上祥子(むらかみ・さちこ)
治療食の開発で、油控えめな一人分のメニューを短時間でおいしく調理できる電子レンジに注目。
出版した著書は『料理家 村上祥子式78歳のひとり暮らし ちゃんと食べる!好きなことをする!』『村上祥子 おいしさの極意』など570冊を超える。福岡女子大学内には「村上祥子料理研究資料文庫」が設置、公開されている。