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対話とは? 価値観が異なる人たちとどう接するか?【学園生が佐藤優さんに直球質問】

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開校以来、多くの識者が来校し、講演や学園生との懇談をおこなってきた東京・関西の創価学園。2025年春には、知の巨人とも称される作家の佐藤優氏と東西の学園生との対話プロジェクトが始動しました。次代を担う高校生たちの真剣な問いに、現代の一流の知性が答える。その真摯な応答の様子は、書籍『明日への扉――君たちだから伝えたいこと』として一冊にまとめられました。本書から、「対話とはなにか」「価値観が異なる人とどう接するか」について語り合うシーンを一部抜粋して、特別公開します。

――学園の伝統でもある"対話"についてです。佐藤さんは、対話の本質はどこにあるとお考えですか。会話と対話とは別物なのでしょうか。創価教育の世界から外へ出て、大学生活や社会人生活を送る際には、価値観の異なる人々とも信頼関係を築いていく必要があると思います。そのときに対話は欠かせないと思うのですが、自分のなかでいまいちその本質や定義をうまく理解できていない部分があります。(高校3年生・女子)

〈佐藤〉 対話については、たとえばディベートは対話に含まれません。ディベートというのはルールが決まっていて、どちらが説得力で勝っているかを決める決闘です。それに対して、対話の場合は、相手が言っていることが正しいと思えば、自分自身が変わらないといけない。互いの考えが違うのであれば、なぜ違うのかを理解していく。それが対話です。


したがって、対話というのは、ややもすると二つのモノローグ(一人語り)になるわけですが、そこからスタートしていかに一つのダイアローグ(対話)にしていけるかという作業だと言えます。



――池田先生が戸田先生の夢を実現したように、池田先生の夢を実現していく弟子になりたいと思っています。具体的には世界の平和と人類の幸福を実現していきたい。そのときに、核兵器に賛成している人や、差別的な価値観がある人など、自分とは明らかに異なる思想の人たちとどのように付き合っていけばよいでしょうか。創価の価値観や哲学を語る方法を、外交官という対話のプロである佐藤さんに教えてもらいたいと思います。(高校3年生・女子)

〈佐藤〉今日(※2025年11月15日)は池田先生の三回忌です。皆さんにとって、新しいことを始めるタイミングとして、とても重要な日です。今日という日に何を誓願するのか。よく考えてみれば、自分の心の中にその答えは出てくると思います。


核兵器の問題について扱うのであれば、しっかりと勉強をして核兵器に関する論理に長けていかないといけません。たとえば、日本で核兵器をつくりたいと言う人たちを頭ごなしに否定するのではなくて、「核兵器をつくるには実験場が必要ですよね。どこの都道府県につくりますか。ゴミ焼却場だってつくるのは大変です。うちの地域に実験場をつくっていいよと受け入れてくれる人はいると思いますか」と尋ねてみる。


あるいは、原発についても尋ねてみるんです。核兵器を保有したいと考えている人はたいていの場合、原発賛成という前提での質問です。「原発も重要ですが、困りましたね。日米原子力協定というのがあるんです。そこには、もし核開発をするとなると、その瞬間にウランをアメリカに返さないといけないという規定がある。日本に核開発をさせないということと、原発をつくるということは、実は裏表なんです。エネルギー問題はどうしていきますか」と尋ねてみる。


または、こういう質問もある。「核兵器をつくれたとして、完成したものをどこに置きますか。引き受けてくれる自治体はありますか。うちの自衛隊の基地にぜひ核兵器を置いてほしいと誘致する自治体はありますかね? 核兵器を置くと敵国からの攻撃対象になるんです。


いやいや、地上の核兵器基地というのはあり得ないんでした。日本程度の広さの国だったら、核爆弾50発で石器時代に戻ってしまいます。だから、フランスやイギリスと同様に地上に核兵器の基地をつくるメリットがありませんでした。陸上に基地があるのは中国やアメリカ、ロシアという、広大な土地がある国だけです。


そうなると、潜水艦ですよね。核兵器を載せるためには原子力潜水艦が必要ですけど、日本は持っていない。その技術ってなかなか譲ってもらえませんよ。どうしますか」と。


核兵器の問題を扱うためには、こういう議論ができるようになっておかないといけません。そして最後は、「核実験は成功するまでは秘密を守らないといけませんよね。日本の政治家や官僚はおしゃべりだから、途中で表に出てしまうと思いますけど、この点についてはどう考えますか」という質問です。こんな質問を重ねていけば、おそらくほとんどの人は説得できると思います。


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佐藤優氏の講演全文や質問会での語らいは、書籍『明日への扉――君たちだから伝えたいこと』(潮出版社刊)に収録。お買い求めは全国の書店、Amazon・セブンネットなどのネット書店まで。

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