10年ぶりの熊本地震と、千葉豪雨災害
秋の防災庁設置へ期待高まる
以上を"外患"とすれば、"内憂"は国内で連続発生した災害。7月28日、最大震度7を記録する大地震が熊本県中南部で発生した。商業施設「イオンモール熊本」( 嘉島町)で大規模ガス爆発が起きたほか、「東京ドーム約7個分」(読売)の敷地面積をもつ日本製紙八代工場で煙突が複数折れて崩落、下敷きになった従業員などを含め、計39名が死亡した。
真夏の大地震に400を超える避難所が設置され、多くの体育館で冷房が入らない実態があらためて浮き彫りに。文科省によると今年5月時点で、避難所指定の公立小中学校の体育館(武道場を含む)の冷房設置率は全国平均で33%。トップの東京都は96%近いものの、熊本県は21%にとどまり、8割で冷房がない状態だった(7月31日付日経)。
その結果か、いつ使うかもわからない1基あたり数億円の高額ミサイルよりも、避難所の冷房設置に予算を回せとの声が広がった(8月2日付東京新聞コラム)。
さらに日本列島の東側から上陸して異例の西進をつづけた台風15号が去った直後の8月13日夕から14日未明にかけ、千葉県で線状降水帯が3回発生。千葉市内はじめ県内市街地が一気に冠水した。わずか5分で腰の高さに増水するスピード(15日付産経)で走行自動車が動けなくなり、乗り捨てて退避するドライバーが続出。
河川決壊でなく、降雨量に排水能力が追いつかずに起きた今回の豪雨災害。死者10人超、浸水住宅被害(床上・床下)2700棟、放置水没車両2700台などの教訓を残した。気象庁は今回、最初の線状降水帯の発生を予測できなかった(18日付朝日・毎日)。
11月1日には350人規模の石破前首相肝いりの中央官庁「防災庁」が新たに設置予定。東京新聞特報面は、防災庁予算202億円は9兆円を超える防衛予算に比べ「400分の1以下」(8月15日付)とその不均衡ぶりを指摘するも、防災行政の充実にむけた期待が高まる。
10年超えた小池百合子都政
坂口力元厚労相を惜しむ声も
8月、東京都の小池都政発足から10年を迎え、全国紙の東京のページなどで多くの特集が組まれた。東京都は昨年、10年ぶりに都内の出生数がプラスに転じるなど、小池知事は少子化対策(子育て支援)の"成果"を強調してやまない。
同月、公明党議員の長老、坂口力元厚生労働大臣の訃報が届く(享年92)。坂口氏といえば、熊本地裁がハンセン病患者の強制隔離政策を違憲と認めた際、小泉首相に進言して控訴を断念。ハンセン病療養所を訪問し謝罪した行動で知られ、読売は「弱者寄り添う姿勢 貫く」(8月13日付)と評伝記事で称えた。