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村上祥子80代! がんばらない料理ノートエッセー①

『パンプキン』2023年1月号から連載がスタートした人気料理研究家・村上祥子先生のエッセーを特別掲載!食のプロが語る言葉は、日常の食への意識を変えてくれます。
(『パンプキン』2023年1月号より転載)
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 月刊「パンプキン」読者の皆様、こんにちは!
「がんばらない料理ノート」でお世話になっております、村上祥子です。
村上祥子、現在80歳。現役の料理研究家です。
つい最近も知人から「村上さんは非後期高齢者ですよね」と言われたところです。
「元気の秘訣は?」と聞かれます。

一、一日三食、食べること
 体は細いのですが、1食でエネルギー源の主食(ご飯)と、体をつくる肉や魚、大豆製品、乳製品などのたんぱく質などの主菜、野菜たっぷりの副菜(これは汁物になることも)をとります。
主食はご飯なら茶わん1杯分(150g)とります。
これでブドウ糖約55gが体に供給され、そうすると8時間動くことができます。
 40年も前の話ですが、15年近く続いた原因のわからなかった高熱や痛みが慢性顎骨骨髄炎と診断されました。
4年間で14本抜歯し、顎骨を切開する手術を計8回受けました。
食べることが不自由な4年間でしたが、食べることの大切さを実感しました。

 2番目の「元気の秘訣は?」
二、仕事があること
 仕事に意欲的です。
好奇心もいっぱいです。
とはいえ、時には失敗もありますが、くじけることはありません。
失敗の記録なんて二度と見たくないものですが、反故にせず文章にして記録を残します。
人間は不思議なもので、懲りたはずのやり方に再び立ち戻ります。
何度か経験して悟りました。
そして、別のやり方をテストします。
人生は失敗例を積み重ねていくものだと思っています。

 3番目の「元気の秘訣は?」
三、疲れ知らず
 8時間、10時間、時には15時間通しで仕事をすることがあります。
その間、「疲れた~」と思うことがないのです。
体の中の血液の巡りがよいのだと思います。
朝起きたら「今日も時間は無限大!」という気分です。
教室で料理のレッスンをしながら、そのことを生徒さんに語ったら、「その一言で、パッと元気になる」とおっしゃいます。

食べることが命につながる
 食べる量は以前と変わらないのに、40歳代、50歳代になるにつれ、太りやすくなった人の原因の多くは筋肉量が減少し、基礎代謝量が減ったため。
筋肉ばかりか内臓も血管も皮膚も骨も代謝で働く酵素も、体すべてがたんぱく質でできています。
「成長するわけでもないので、お肉は控えめに」と思っていたら大間違い。
50代の人は20代のころに比べ、代謝も吸収の力も下がっています。
夕飯時になってもおなかがすかないということはありませんか?
それは、たんぱく質の摂取が減って胃壁が薄くなっている証拠。
おなかがすかないから到来物のお菓子で済ませよう、カロリー供給用のスナックバー1本でおしまいに、ではいけません。

 シニア世代こそ、簡単でいい、でも必ず食べる。
1回の食事で主食、主菜、副菜のそろった献立を。
たとえば、コンビニのハムサンドや卵サンドが昼食なら、きゅうり1本を洗ってまな板にのせ、めん棒で叩いてしょうゆとラー油少々をかけた「辣黄瓜(ラァホワングァ)」を添えれば、栄養満点ランチのでき上がりです。
 健康でいるための、私の食事のちょっとした工夫をお話しします。
たんぱく質食材(肉、魚、卵、魚肉の缶詰や練り製品)50gと、野菜100gを一口大に切って、ジッパー袋に入れて冷凍。
 水と味噌を足してレンチンすれば味噌汁に。
水としょうゆで具だくさん汁に。ごまドレをかけてサラダに。
ひとりでこうして三食いただき、ずーっと元気を保てています。

 

◆連載 第2回目はコチラからチェック

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料理研究家、管理栄養士
村上祥子(むらかみ・さちこ)
公立大学法人福岡女子大学客員教授。
治療食の開発で、油控えめで一人分でも短時間においしく調理できる電子レンジに着目。
出版した著書は『80歳、村上祥子さんの元気の秘訣は超かんたんレンチンごはんだった!』『村上祥子さんの食べると生きる人生最高のレシピ』など500冊を超える。
福岡女子大学内には「村上祥子料理研究資料文庫」が設置、公開されている。