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パンプキンの本棚 ~姥玉みっつ~

パンプキンで連載され、書籍化された本を紹介する「パンプキンの本棚」企画。
今回は2021年より連載された西條奈加さんの時代小説をご紹介します!
(『パンプキン』2024年5月号より転載。文=鈴出智里)
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物語の舞台は江戸時代。歌を詠みながら老後を過ごしたいと思っていたおろくは、名主の書役として"おはぎ長屋"に住み、静かな余生を送ろうとしていた。

ささやかで堅実に暮らすお麓だったが、二人の幼馴染が転がり込んできて状況が一変。一人は能天気なおすげ。夫の亡きあと、長男の嫁との折り合いが悪く、お麓の元に通ううちに長屋に住み着くようになる。

そんなお菅に呼ばれて、派手好きのおしゅうも同じ長屋に。金物問屋の後妻として不自由なく暮らしていたものの、娘婿に追い出されたからだ。

厄介事を嫌厭するお麓は「何が悲しくて婆三人つるまなくてはならぬのか」と嘆きながらも、婆三人の騒がしい日々が始まった。
 
ある日、お菅が空き地で倒れていた女性と、声が出せない少女を見つけ、世話をすることになるが――。個性豊かな三人の婆たちを、西條さんがコミカルに描く、笑いあり涙ありの痛快なストーリーが必見の一冊だ。

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