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入れ歯はこまめに手入れを

ushio情報box 口腔ケアで健康長寿
(『潮』2023年11月号より転載)


高齢になると、入れ歯(取り外しのできる人工の歯)に頼る人が増えてきます。
入れ歯は汚れが沈着しやすいので、専用のブラシで朝晩の手入れが必要です。市販の洗浄剤も活用を。

 

入れ歯の掃除は専用のブラシで

 入れ歯は「総入れ歯」と「部分入れ歯」とに大別されます。「総入れ歯」とは、すべての歯の代わりになるもので、「部分入れ歯」は、失った歯の代わりに周りの健康な歯に金属のバネ(クラスプ)で人工の歯を装着するものです。どちらも細菌や食べかすが付着し汚れやすいので、毎日寝る前と起床時の2回は必ず手入れを。
 洗面台で、水を張った洗面器の上で掃除しましょう。これは誤って入れ歯を落として傷つけたり、配管の中に流したりしないため。水をかけながら入れ歯専用ブラシで磨きます。歯ブラシでの代用はNGです。入れ歯専用ブラシは、入れ歯の溝やくぼみ、金属部分の汚れを落としやすくできています。また、通常の歯磨き剤は研磨剤が入っていて傷になりやすいので使いません。毎食後も同じように洗浄するのがおすすめです。

 

外した入れ歯は水中で保存する

 入れ歯を外した後は、変形を防ぐために水につけておきます。できれば入れ歯洗浄剤につけおきを。汚れの除去や細菌の繁殖予防になります。
 寝るときには入れ歯を外すのが基本。歯肉を休ませ、細菌の繁殖を防ぐメリットがあります。外した後は歯茎を指でマッサージして血行を促すとよいでしょう。ただし、人によっては口腔内の状態や入れ歯の状況などにより、歯科医から入れたままの就寝を指導されるケースもあります。どちらにするかはよく相談してください。

 

入れ歯専用ブラシを使ってきれいにしよう

手のひらにのせて、流水下でていねいに磨きます。 外した入れ歯は、水につけておきましょう。

 

義歯周りは専用のデンタルフロスで

 人工の歯(義歯)には取り外しのできないタイプもあります。失った歯の両脇の健康な歯を削り、橋をかけるようにして人工の歯を固定する「ブリッジ」や、顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を固定する「インプラント」などですが、普段の歯ブラシの際には念入りに磨きましょう。
 さらに汚れがたまりやすい義歯と歯茎の隙間の汚れを見逃さないこと。専用のデンタルフロスなどを隙間に通してきれいにすることが大切。うまくできなければ歯科医に相談を。

 

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文:内住弓貴子
イラスト:白髪エイコ

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