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マイナ保険証

ushio情報box 潮マネー講座
(『潮』2023年12月号より転載。イラスト=櫻井通史)

 

 私たちの暮らしのなかでマイナンバーカードがもっとも使われる場面は、「マイナ保険証」と呼ばれる、健康保険証としての利用ではないでしょうか。来年(2024年)秋には、これまでの健康保険証は廃止される予定です。

 マイナ保険証への切り替えによる誤登録が相次いで発表されたことで、マイナ保険証に不信感をもっている人も少なくないようですが、誤登録の件数は、マイナ保険証の利用登録の0.013%です。「世界各国が同様のシステムに切り替わったときの誤登録率に比べれば、ずっと低い」と指摘する識者もいます。

 誤登録はあってはいけないことですが、マイナ保険証によって私たちが受け取れるメリットは大きいものがあります。

 

各種申請手続きが簡素化される

 私は職業柄、30年以上にわたって、医療とお金に関して「知らないと損するかもしれない制度」について、何度も紹介してきました。

 たとえば、「入院前に限度額認定証の発行を受けておき、高額療養費制度の対象になりそうなら、忘れずに申請する」といった手続きが挙げられます。しかし、マイナ保険証による受診に切り替われば、こうした手続きはほぼ不要となるでしょう。医療機関の受付の端末でこうした制度に関する画面をチェックするだけで、申請が完了するからです。

 このように、マイナ保険証を活用することで、知らずに社会保障を受け忘れることがなくなり、だれもが公平に保障を受けることができるようになります。

 

診療記録や医療費の閲覧などのメリットがある

 医療機関や薬局でマイナ保険証による受付をする場合、従来のようにさっと終わるわけではありません。顔認証か暗証番号の入力をし、いくつかの項目に「同意」しないと、受付が完了しないしくみです。

 これを面倒に感じ、「従来の保険証を使いたい」という人も少なくないと思いますが、できるだけマイナ保険証を使うことをおすすめします。診療記録が蓄積され、ご自身の健康管理にも役立つからです。

 私は「お薬手帳」を持参し忘れることがよくありますが、マイナ保険証で受診することで、かかった病院の記録や投薬の内容が自動的に記録されていきます。ほかの医療機関や薬局に行ったときでも、その履歴によって、投薬の重複などを防ぐことができます。また、確定申告の際、医療費控除にも使えるので、領収書を保存しておく必要がなくなります。初診料もマイナ保険証を使ったほうがやや安くなります。

 診療の記録を閲覧したいときは、スマホやパソコンで「マイナポータル」(政府が運営するオンラインサービス)にログインし、ほしい情報を選んで取得申込みをします。行政システムの稼働時間内であれば、20秒ほどで自分のデータが「回答」として送られてきて、閲覧できます。マイナポータルでは、健診の結果や予防接種の記録、医療費や診療・薬剤情報のほか、行政の情報などが閲覧できます。さらにe-Tax(イータックス)やねんきんネットなどの外部ウェブサイトとつなげて使うこともできますので、一度のぞいてみましょう。

 マイナ保険証の利用やマイナポータルサイトの閲覧を面倒に思う人もいるかもしれませんが、使っていくうちに慣れるでしょう。

マイナ保険証で医療機関の受付をする

受付のカードリーダーにマイナンバーカードをかざす

本人確認
・顔認証をする(または4桁の暗証番号を入力する)
・各種同意事項の確認・選択をする

受付完了・診察へ

 

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文:北見久美子(きたみ・くみこ)
ファイナンシャル・プランナー&年金アドバイザー