歌手生活60周年を迎え、ますますその輝きを増す山本リンダさん。そんな彼女のエネルギーの源であり、支えでもあるのが友人たちの存在だ。だれかを幸せにすることで自らも幸せになる。そんな山本リンダさんの生き方は、きっと人間関係に悩むすべての人にとって大きなヒントとなるはずだ。
(パンプキン2026年1月号より転載 撮影=富本真之 取材・文=小山田桐子 ヘア&メイク=KIRI)
友好を深めるには思いを共有することが大切!
その場をパッと明るくするような笑顔が印象的な山本リンダさん。
どんな人にも垣根なく接し、たちまち友人になってしまうイメージがあるが、意外にも、実は人見知りで、人とのコミュニケーションも苦手だったのだそう。
「私は一人っ子ということもあってか、引っ込み思案な子どもだったんです。でも、亡くなった母はとにかく人のためにすぐ動ける人で、私はそんな母がすごく大好きでした。『あつ子(本名)はどんな人とも仲よくするんよ』ってよく言われていたのを覚えています。そういう母を見て育っているんで、やっぱりどんな人との関係も大事にしなくちゃいけないっていう思いが染みついているんです」
内気だった少女が自分から人に話しかけ、関係を築いていくのは、簡単なことではなかったはずだ。
しかし、リンダさんはずっと諦めることなく、自分の言葉が届くことを信じ、人と関わり続けた。
「一緒に電車で移動したり、仕事で同じ楽屋だったり、そういう仲よくなるきっかけってあると思うの。そういうときに何も反応せず、話しかけずにいたら、せっかくのチャンスを逃がしてしまう。それってもったいないと思うのね。だから、どんな反応が返ってくるか怖くても、心を奮い立たせて、自分から声をかけるんです。もうね、そこは勇気を出すしかないんですよ心の中で必死に祈りながら、信じていくしかない。そういうことを重ねていって、だんだん自然に話せるようになってきたっていうのはありますね」
時には思うような反応が返ってこなかったこともあるという。
しかし、すべてのやりとりは無駄ではないとリンダさんは言う。
「知らんぷりされることも、素っ気なくされることも時にはあります。でもね、数年経ってから、『あのときは声をかけてもらったのに、知らんぷりして、本当に悪かった』って言ってくれた人がいて。ああ、そういうふうに気にされていたんだなって思ったんです。私があのときかけた言葉は、ちゃんとその人にも届いていたんだなって」
声をかけるにあたって、リンダさんがまず考えるのは、相手との共通点。
「だれかから声をかけられても、よく知らない同士だとそのままあいさつだけで終わってしまうことってありがちですよね。でも、共通する何かを見つけようと考えながら声をかけることで、つながりができてくると思うのね。どんな小さなことでもいいんです。出身地が同じだったり、家が近かったり、そういう共通点をきっかけに心が通じ合えたら『また今度会いましょう』って約束につながる。
逆に声をかけてもらったときも、相手と共通する何かを見つけられたら、スッと受け入れられたりすると思うんです。そうやって、とっかかりを見つけて次につなげていくことが、すごく大事だなって思いますね」
真実の思いを、直接会って伝える
仕事柄、人と出会う機会も多いリンダさん。
相手から連絡先を尋ねられることも多いが、近年ではメールやLINEなどもうまく活用しているという。
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