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「大衆のための政治」実現へ――新生・公明党が目指す道 | 岡本三成VS三浦瑠麗

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「中道」とは何かを改めて問う

三浦 そうした経緯の上で、岡本さんは党代表の就任にあたって「中道政治実現の決意揺るがず」と挨拶されました。岡本さんの言われる「中道」の具体像について改めて確認させてもらえますか。

 

例えば、外交安保で言えば、国際情勢の厳しさを認めつつも防衛装備の過大化は避けたい「リアリズムに基づくハト派」、経済で言えば「成長を手放さず、分配も担保する」といった政治的力点の置きどころはさまざまあるとは思います。こうした立ち位置の日本人の層が存在すると見ているのか、あるいは政治用語とは違う、もう少し理念的なものと捉えているのか。


岡本 私にとって「中道」の一つの表現は、「大多数の国民の常識を政策に落とし込む」ということです。SNSが当たり前のものとなった現代では、一部の声の大きい人、極端な意見を持つ人が目立ち、かつネットのアルゴリズムなどでそうした意見が増幅されがちです。しかし、ほとんどの国民は忙しい日々の生活の中で政治に声をあげる時間もないサイレント・マジョリティ(物言わぬ多数派)なのです。こうした方々の「困っていること」「不安なこと」を見つけ、解決していくのが中道だと考えています。

 

具体的には三つの次元があります。まず「経済」。成長主義は大前提ですが、分配が担保されなければ意味がない。一人当たりのGDPを高めていく努力と再分配のバランスが必要で、成長を否定した分配政策には反対です。次に「外交・安全保障」。警察官のいない街では住民を守れないのと同じで、抑止力や防衛力は不可欠です。ただし、同時に人間関係としての外交・対話も回していく。そして「社会課題」。ここが保守層と大きく違う点ですが、多様性や社会課題解決に対する価値観は、私たちは比較的リベラルです。

 

従来のリベラル勢力は経済で分配偏重になり、安保で平和外交だけに傾きがちですが、私たちの立ち位置は違います。従来の保守とリベラルの区分に照らすとユニークではありますが、この「現実的かつリベラル」な価値観に賛同する国民は一定数以上存在すると感じています。

三浦 その点で言うと、ちょうど私が立ち上げた社団法人でそれなりの時間とコストをかけて、初めて政治的ではないセグメンテーション(グループ分け)を行ったところです。安保や憲法といった政治的な争点をあえて外して、生活に根ざした日本人の意識を探ってみました。そこで見えてきたのが、「地域の守り手」と呼ぶべきセグメント(区分)の存在です。人口の6人に1人ほど存在するのですが、与野党問わず、政治家の多くがこのセグメントに属していました。

 

彼らの特徴は以下の通りです。保守・革新で分ければ「穏健な保守」。イデオロギーではなく地域の風土や人とのつながり、家族を大切にする。お世話好きで、祖先や伝統、皇室への愛着も強い一方、同性婚などには寛容です。経済的には中道〜保守で、努力すれば報われるという昭和の成功体験を信じており、変化を恐れず柔軟性が高い。家族や地域コミュニティのつながりを重視し、社会的変化に柔軟という意味では、「中道」とも一部重複するセグメントだと思います。

 

つまり、本来政治家や地域のリーダーの多くは、党派を超えてこうした「人とのつながりや地域を守る」という価値観を持っているのです。しかし、いざ有権者を背負う段になると「保守チーム」「革新チーム」といった色分けの鎧を着込んで喧嘩を始めてしまう。日本において政治的立場を分ける主たる要因は、案外、社会的変化への寛容度と「自民党がどれくらい嫌いか」という感情的な要素ぐらいだったりするのです。

 

岡本 まさに私自身、代表になってから「自民党に対する立ち位置を明確にしてほしい」とよく言われます。ですが、私たちは「自民党がこうだから反対もしくは賛成」という決め方はしません。人間主義という自分たちの信念に基づいた判断が、安保では保守的に見えたり、社会保障や多様性ではリベラルに見えたりするのだと思います。

 

是々非々と言うと、どこか日和見的でどっちつかずの態度のように捉えられてしまう昨今ですが、良い提案には与野党問わず賛成するし、ダメなものには反対するという姿勢は、そこまで不誠実なものとは思いません。

 

もちろん、有権者から見れば「自民党と戦うのか仲良くするのかハッキリしないと立ち位置が分からない」という面もあるのだと思います。その辺りをどう表現していけば伝わるのか、悩ましいところです。

 

三浦 それは政治空間において、「戦う相手(敵)」を提示しないと人々が団結しにくいという構造があるからでしょう。自民党が長年政権を維持できたのは、共産党という分かりやすい「仮想敵」が存在してくれたからです。「共産主義と戦うぞ」と言っていればまとまれてしまう。

 

岡本 公明党の敵があるとすれば、それは結果的に日本の平和を脅かしかねない扇情的な動きや、国民が豊かになることを阻むような仕組みということになるのだと思います。

 

三浦 そうですね。特定の誰かや勢力を悪魔化するという意味ではなく、政党ですから戦う相手はいた方がいいです。加えて言うと、コロナ禍の過剰自粛のように地元地域への愛着を失わせてしまうような社会の風潮や人の心を失わせるような労働の在り方などの"現代社会における喪失"と戦ってほしいと思います。

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