ネットワーク力をさらに強化するために
岡本 来年には統一地方選挙が控えていますが、私は本気で「全員当選」を目指します。全員の勝利という結果それ自体が大きなブランドになり、党への期待に変わるからです。そのためには、変えるところは大胆に変えていかなければなりません。
公明党の最大の強みは「全国3000人の議員ネットワーク」です。町議会議員から国会議員まで直接密に連携を取り合うことでこれまで多くの社会課題を解決してきました。しかし、ここからさらに党勢を拡大するためには、そうしたネットワーク力を客観的なエビデンス(根拠)として活用していく努力も求められるのではないかと考えます。
三浦 科学的なアプローチを取り入れたいということであれば、「緻密な調査研究」と「ワークショップの開催」に基づくリブランディング(価値の再定義)が有効ではないでしょうか。日本の政党は総じて、企業では当たり前のブランドコンセプト(誰に、どんな価値を、どのように届けるかという本質的な軸の定義づけ)を作りません。いまだに議員個人の"オレはこう思う""オレはこうやってきた"がまかり通っています。
岡本 確かに私たちのネットワークも、個人の議員間の連携が主体となり、個々の成功体験が積み上がっている点では実は同じなんです。全国の地方議員がそれぞれの問題意識で掬い上げる市民の声には本当に価値があります。それをデータとして迅速に集約し、共有する仕組みなどができればさらなる社会課題の解決に大きく貢献できるはずです。
三浦 チームみらいは、本来であれば中道と親和性の高いはずのややリベラルな子育て世代の票を勝ち取りました。少なくとも合理的な意見集約の仕組みがあると思われたからでしょう。議員のみならず、党員・支持者を含めていま一度、「自分たちはそもそも何を重んじているのか」「何に不安を感じるのか」といった洗い出しを通じて自己理解を深めるべきでしょう。
その上で、「自分たちの強みや課題はここにある」という土台を示し、年代や地域を超えたワークショップを行うことで政党としてのコンセプトを再構築できるかもしれない。また、それによって自分たちの意見が吸い上げられ、党の決定に反映されるという実感が得られれば、当事者意識を持ってもらうことにもつながります。
岡本 公明党は国会議員にも、地方議員にも本当に優秀な人材が揃っています。そうした仲間たちが今まで以上にそれぞれの力を発揮でき、また有権者に公明党の価値をより理解してもらうためにも科学的な手法を上手に取り入れていきたいと思います。
家族はどういう存在か
三浦 岡本さん個人にフォーカスしたことも少し聞いてみたいと思います。以前、お話ししたときにお嬢さんの話をされていましたが、私は岡本さんに政界の中でもかなりの子煩悩、妻煩悩という印象を持っています。人間が何から活力を得ているのかは結構大事だと思うのですが、そうした意味から岡本さんにとって家族とはどういう存在ですか。
岡本 地域への愛着の話もありましたが、日本と世界の各地を転々としてきた私にとって、家族が故郷なんだと思います。率直に、私の人生の中で一番大事な存在なので、大切にしたいなと。あと、家族がエネルギー源でもあるんですよ。一緒にいるとゆったりできるというより、また頑張ろうと思えると言いますか。
三浦 岡本さんはグローバルな視座をお持ちですが、その活力の源が一番身近なところというのは興味深いですね。
岡本 私から三浦さんに意見を聞きたいことがあります。今、街中に政治家の顔が大きく写ったポスターが貼られていますよね。私自身、街に自分の写真が貼られていることに未だに違和感があります(笑)。これからの政党のポスターは、街と調和したデザインのものを模索してもよいのではないかと思います。公明党であれば、平和や福祉、一人ひとりを大切にするなど目指すべき社会像をメッセージに込めた、素敵で心温まるイラストをポスターにするなどのイメージです。貼ってあるだけで街全体が明るくなり、若者が思わず欲しくなるようなデザインに挑戦をしたいのですが、どう思いますか?
三浦 もしやるなら半分半分がいいのではないですか? 岡本さんの問題意識もよく分かりますが、私は政治という営みは、ある種の「陳腐さ」からスタートしなければならないと思っています。「顔写真と党名」は確かに陳腐なフォーマットではありますが、有権者にとって「あ、政治のポスターだな」と一瞬で理解できる普遍的な安心感、定番感でもあるんです。
岡本 なるほど、ハーフ&ハーフですか!
三浦 大切なのはポスターのデザイン以上に、「なぜこのメッセージを発しているのか」という認識が、議員や支持者の方々の間でしっかり共有・すり合わせされていることです。外見だけを令和風にしても、中の人間が昭和スタイルのままでは、有権者には見透かされてしまいます。
.jpeg)