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【スペシャルインタビュー】田中美奈子さん 自分らしく輝いて――心の断捨離のすすめ

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すべての出来事を〝必然〟だととらえて

田中さんの話を伺っていると、ひとつの出会いを大切にして、そのつながりを広げていくことで人生がいかに豊かになるかがよくわかる。そうした生き方ができる、その秘訣は何だろう?


「たとえ仕事でも、私は、自分がそのときその場所を訪ねたことが偶然ではなくて、すべて必然だと思っているんです。なぜこのタイミングだったのか、そこに行った意味は何だろうと考えるんです。きっと何か自分がやるべきことがあるはずだ、と」

その思いが、いろいろな活動の可能性を拓き、つながりを深めているのに違いない。田中さんが、今いちばん力を入れているのは「Neo☆ Stars」の活動だ、と言う。「Neo☆Stars」は、フジテレビの番組をきっかけに、24年に結成したコーラスグループである。つちやかおりさん、渡辺めぐみさん、西村知美さんなど80年代のアイドルがメンバーだ。「その番組で久しぶりに会ったみんなで合唱したんです。昔はライバルだったけど、一緒に合唱の練習をしているうちに 〝戦友〟が 〝親友〟に変わっていったというか、『この絆をこれで終わりにしたらもったいない。何かやろうよ』ということになって、エンタメと社会貢献の2本柱で活動していこうと決めたんです」


昨年の6月には大阪・関西万博のEXPOアリーナで、手話をしながら「イッツ・ア・スモールワールド」を歌った。


「サビの部分は事前にレクチャーをして、会場の全員で一緒に手話を交えて歌いました。すごい盛り上がりでした」


今年の3月には、グループの代表がパラオに行って日本の親子とパラオの子どもたち、そして大統領夫妻も参加して、ビーチクリーニングを開催する。また、島の人たちと一緒に日本の歌を歌うという企画も進めている。日本にいるメンバーとはZoomでつなぎみんなで合唱する予定だという。


「海洋汚染の問題については、『リビエラ未来創りプロジェクト』というNPO法人と一緒に、『LOVE OCEAN』という活動の一環でシンポジウムやビーチクリーンの活動にも定期的に参加していこうと考えているんです」

田中さんが取り組んでいる活動は、彼女を共鳴板にしてそれぞれが響き合い、点から面に広がっているようだ。しかも、ご本人は無理をしているふうでもなく、じつに楽しそうなのである。きっと、その手応えが彼女の 〝輝き〟の光源なのだろう。

苦手な人にも自分から心を開いていく

田中さんの近所づきあいのよさも、地元ではつとに知られているらしい。


「本当に近所では〝昭和なおつきあい〟をしています。うちは〝サザエさん一家〟と言われているくらいなんですよ」


そう言って、笑う。その人づきあいのよさは、どこからきているのだろうか。

「芸能人である前に、ひとりの人間でありたいと思っているからかもしれません。普段はお化粧もしないでご近所を走り回っていますし……。友人たちからも『ちょっとオープンすぎない?』なんて言われているくらいです」


小学生のころは、友だちとサンドイッチを作って公園にいるご高齢の方に配って歩いていた、と言う。


「独りでベンチに寂しそうに座っていたおばあちゃんがいて、『食べませんか?』と渡したら、すごく喜んでくれて。おうちまで遊びに行ったこともあります」


生まれついての人好きなのかもしれませんね。そう言うと、「あっ、そうかも!私、せっかく人間として生まれたんだから人と関わらなければ生きている意味がないって思っているところがあるんです」


だからなのか、どんな人にもオープンマインドで接しているそうだ。

苦手な人、好きになれそうもないと思うような人にこそ、あえて自分から心を開いて話しかけるという。

特に映画やドラマの撮影現場では、その本領を発揮するらしい。


「ちょっと繊細な性格だなという人が主役をしているときなど、その人と絶対に仲よくなると決めて現場に入るんです」


自分からあいさつするのは当然ながら、「セリフはどうやって覚えているんですか?」などと、何でもいいから話しかけるようにしている。


どんなに難しい人物でも、最後は「よ~し、美奈子とご飯でも行こう!」という関係になるまで関わっていくそうだ。

逆に自分が主役の連続ドラマの場合は、毎回のゲストの人が現場に溶け込みやすくなるように進んでコミュニケーションをとるし、だれよりもまずエキストラの人たちにあいさつをし、声をかける。


「ドラマは自分ひとりで作れません。みんなの力が合わさって、いい作品になるんです。だからいつも現場の雰囲気をよくしたいと思っているんです」

田中さんはそう言い、


「新しいことを始めるとき、壁にぶつかったときなど、私がいつも考えるのは、人生の師である池田先生※ ならこんなときどうされるのかな、ということです。心の中に師匠の存在があるから、いつも前向きでポジティブでいられるんだと思います」


と、話を続けるのだった。

より豊かな人生のための〝心の断捨離〟

20年以上も続けてきた動物の保護活動も、今年大きな一歩を刻めそうだ、と話す。ある事業家との出会いから、広大な土地に動物の保護施設を開設できるかもしれないのだ。


「ようやく殺処分のない保護センターを造れそうなんです。そのセンターに、障がい者の就労支援施設を併設することも考えています」

数年前に夫の妹さんが亡くなった。彼女は重い脳性まひで、家族でずっと介護をしてきたのだった。田中さんの障がいのある方への思いは深い。


広い土地を利用して無農薬で野菜を栽培し、それを餌にウシやブタを育て、安全なペットフードを作りたいという。

「そのなかで一人ひとりの特性に合わせてできる仕事もいくつも生まれるだろうし、芸術的な才能をもつ障がいのある方の作品を展示したり、カフェを併設したギャラリーを造ったりしてもいいし、作品の販売もしたい……」

夢は広がる一方なのである。


「私も58歳です。これからの人生をより豊かにしていくためにも、そろそろ自分にとって大事なこと、楽しいこと、意義あることを選ぼうと思い切ることも大事だと思っているんです」


自分の残りの人生に本当に必要なものと、そうではないもの。その整理をすることを、田中さんは“心の断捨離〟と言う。


「荷物の断捨離も必要ですけど、心の断捨離も大事だと思います」と。



※池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長


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