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「外部」と見た創価学会の現場 特別対談【佐藤 優×開沼 博】

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信仰を離れた人が再び戻ってくる

開沼 旧統一教会問題以降、宗教二世、三世の議論については、佐藤さんはどう見ていますか。

 

佐藤 キリスト教でもそうですが、危ういのは教団のなかですくすくと育った二世や三世です。信仰が形骸化していく可能性があります。少年期や青年期に信仰から離れたものの、何かしらの課題に直面して信心に励む親の姿を思い出して、再び信仰の道に戻ってくる。そういう人は強いですよ。もちろん、創価学会には、信仰が形骸化しないための様々な装置が用意されているわけですが。

 

開沼 一度、信仰を離れてからの再選択というパターンは、私も多くの事例を聞きました。

 

佐藤 それをしっかりと書いてくださったから、あの連載は面白かったんです。

 

開沼 日本全体が少子高齢化していて、どの組織も若者不足という課題を抱えているなかで、創価学会は次世代育成に一定程度成功してもいるように見えます。

 

佐藤 少子高齢化は創価学会も例外ではないと思いますが、他の教団と比べれば信仰の継承に圧倒的に成功していますからね。大変だったのは、やはり旧統一教会問題以降の空気感です。一時は家庭内における信仰の継承に縛りがかかりそうになりましたからね。

 

そもそも「宗教二世」という表現自体が極めて危うい。子どもの権利の観点から宗教二世を取り締まれという乱暴な言説がありましたが、二世には私のようにそれを誇りにしている人だっているわけですから。

  • 開沼博氏

不条理に向き合い熱狂に陥らない

開沼 不条理を受け入れる余地をつくる宗教の機能は現代においても有効です。取材で福島や水俣、沖縄の学会員にお会いして、実感しました。原発事故や水俣病、沖縄戦は、地理的にも社会問題としても、日本の周縁に存在します。都会のみならず周縁部でも不条理を抱える人々を包摂し人生をトータルコーディネートするような働きを信仰が実現している。

 

最近は、不条理に向き合うために陰謀論や反科学を唱える小政党に熱狂する人々がいます。そこには、鉤括弧(かぎかっこ)つきの信仰心のようなものも、カリスマを求める心理みたいなものも垣間見えます。ただ、体系的思想が無い中で人を繫ぎ止め拡大しようとすると、過激化するしかなく、誰も幸福にならない。創価学会の歴史はその轍を踏むことを避け続けてきた上にある。これが強さの根本です。

 

佐藤 それはおっしゃる通りです。熱狂に陥りやすいことの一つにナショナリズムがある。例えば近年の日中関係の緊張もあって、政府は中国に対して、もっと強硬な姿勢を示すべきだという声が強まっています。

 

ここで私が注目しているのは、公明党沖縄県本部の独自路線です。2022年にまとめられた『県民とともに 公明党沖縄県本部50年の歩み』には、沖縄を二度と戦場にしないために中国との関係で断固平和を維持する旨が明言されています。公明党沖縄県本部は、対中関係のみならず、基地問題に関しても、独自路線を打ち出しています。辺野古移設に反対するだけでなく、海兵隊の海外移設を主張している。公明党の中央とは異なる路線です。沖縄県本部の独自の選択を容認しているところに公明党の底力があります。その背景にも公明党の支持母体である創価学会の寛容性がある。このように政治問題についての多様性を東京の創価学会本部や公明党本部が認めているところが偉いんです。

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